第9話 資源を探索しましょうそうしましょう
さてさて、今日は石屋の皆さんそしてハルキ君とキッコリーさんと一緒に、周辺の資源探索に来てるよ。
ちょっと遅れちゃったけど探索して周囲の状況を把握して、そして資源を見つけて有効活用しないとね。周辺には資源が豊富ってエメラルドの石が言っていたしね。
「それじゃあ手分けして探そっか。私とハルキ君そしてキッコリーさんで1グループ、石屋の中で2グループ作って貰って、計3グループで探しまっしょい」
石屋は石材探しのプロなので、いい石が見つかるといいな。
「石屋グループが川沿いを調べて回ると言うことなので、私たちは西にある丘あたりを調べてみたいのだけどキッコリーとしてはどーでしょーか」
「まあ悪くはないんじゃないか。盛り上がっているか地面が下がっているところに資源があるというしな」
「わかった、それじゃ西の丘にレッツゴー!」
すんごーく大雑把に西の丘と決めたんだけど、西の丘って結構広大なんだよね……。
歩くこと1時間、丘のふもとに到着。ふもとに来たけどもうすでに森の中を結構歩いてるね。針葉樹と広葉樹が混在する森っぽいので、木材として針葉樹を伐採したり、広葉樹独特の森の恵みを受け取れたり出来そう。実際トメキノコなんかを採取してタケッケーで出来た背負い籠にポンポン放り込んでる。このキノコを使う錬金術で、酔い止めの薬が作れるんだってさ。
「これだけで十分美味しいねえ」
「今のサクラさんなら錬金術でお薬にまで加工できますしね。酔い止め、南の開拓地テルアルブでも売られてましたよ。安いお値段でしたけど」
「安くても簡単にたくさん作れるのがみそなんだよ」
「おーい、こっち来てくれ!!周辺に木がない場所に、岩塩が露出している状態で存在しているぞ!」
キッコリーの呼び声に誘われていくと、そこには本当に岩塩が露出してたよ。
なんで岩塩ってわかるのかって? 舐めてみたらしょっぱかった。時代は漢鑑定!!
周辺に木がないのは、多分塩分のせいで木が生えることができないからなんじゃないかな?
「これ、どれくらいの規模であるんですかねえ」
「市長、市長の加護で【
ほほう、それじゃあやります、【走査魔法】!!
ぱたり
「ううーん……ここは?」
「倒れてから動かしてないぜ。すまねえ市長、走査魔法ってやつは莫大な魔素を消費するようだな。魔法学校出身の木こりが得意げに使っていたからてっきり簡単なやつかと……」
「ああ、うん、大丈夫、だいじょーぶ。まあ魔法を使ってわかったよ。莫大、莫大にあるよ。これで開拓地の塩分不足に悩まされることはないね!!」
「地球では売ってましたよね、ヒマラヤの岩塩とか。加工してルーデル? ってところにもっていけば売れるのではないですかね?」
「さすがハルキ君。余裕があったら石屋に追加で人を呼ばせて、ここに岩塩採掘場を建てよう!!」
サクラの家からここまでの道のりをメモってここを後に。
まだ日が高いのでもうちょっと探索しましょうそうしましょう。
「キッコリー、なんか臭いよ、おならでもした?」
「してねえよ! ……というか臭うのか?」
「なんかくっさい匂いが風上から」
まじくっせーんですけど。
「……俺も見たことはないが、臭いといえばゴブリン。……ゴブリンかもしれねえな」
ちょっと緊張した声でキッコリーがそう答えます。
「いるんだ、ゴブリン!!」
はしゃぐハルキ君。
「ハルキ君落ち着いて。私たちは現実世界に住んでいるからね、兵士じゃないんだよ私たちは。私は犬にかみ殺されかけてるからね。」
「すいません……」
「岩塩からある程度離れているがどうだろうな。巣があったら岩塩を見捨てることになる。とにかく撤退するぞ。今日はここまでだ」
「倒さないんですか? ゴブリンですよね?」
「〈今はな〉。ゴブリンと言えど何匹いるかわからねえし、はぐれゴブリンなのか、巣なんかの共同住宅地があって、そこの巡回兵なのかもわからない。そんな状況で〈兵士でもない〉俺らが突っ込む道理はねえよ」
キッコリーの言うとおりだなあ。
「わたしもキッコリーに賛成。臭いし」
「わかりました……」
名残惜しそうなハルキ君を連れてそそくさとその場をあとにしたよ。すたこらさっさのさー。
「川のほうにあったのは、川底に砂利と砂、川の近くに粘土、そして広大で採石できそうな場所、かあ。すごい資源量だね」
「西の森は岩塩とゴブリンだったな」
「あとで私がゴブリンの偵察をしてみます。当面は私が岩塩を採取いたしましょう」
とはハンタの弁。
「うーん、西の森はゴブリンがどうなっているかだよねえ。可能なら
しっぽを股から前に出してぽよんぽよんさせながらそう答えます。ぽよよんぽん。
「ルーデルは遠いし、南の開拓地テリアルブから傭兵でも雇いやすか?」
「ふっふっふ、お金がないんだよモロッコシー。私が身体でも売ればき――」
「「「――それはだめ」」」
「アッハイ」
「石屋は6名中1名が女性で残りが男性、俺の弟子5名は全員男、そして俺、ハンタ、モロッコシー、ハルキ。14名が槍の訓練して討伐に行けば何とかなるか……?」
「だれが訓練させるの?」
しっぽもふもふ。
「姐さん、あなたっすよ」
「へ?」
「【市長権限の加護】でずぶの素人よりは槍の技術を持っているはずっす。それと教える技術も素人じゃないっすよ」
もふっていた手から滑り落ちる私のしっぽ。
なんてことだ。
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