鏡よ鏡よ鏡さん...!

 余すところなく僕の美しき身全てを写す曇りなき鏡。もしこの子が言葉を話せれば僕を世界一の美しさと褒め称えるだろう。君ほど僕の美しさを知り尽くしたものはいないだから...!


「ねーよッ...って言えないのが怖いわ。なんッでおまえはいっつも植物園うちでポージングの練習するんだ。」

「それはここの温室のガラスが最も美しく私を映してくれるからだよ。君がいつも磨き上げているからね!」

「おまえのためにやってんじゃねーよッ。ご来園くださるお客様のために磨いてんだわッ。」

「僕だって客さ。それにこの美しくもシンプルなガラスに僕が映ることによって悠久の時を経たステンドグラスのような華やかさをプラスできるんだ!」

「おお、輝きすぎてこないだついに常連のばあちゃんに合掌されてたな。いっそイメージキャラクターにでもなったらどうだ?」

「僕は職場に長居したくない派かな!」

「もう半分スタッフみたいな癖にッ!」


 この植物園の名物は梅・薔薇・成瀬です。

植木「ここだけの話最近ポージング中の成瀬の写真がsnsで"生きた彫刻"タグで拡散されプチブームになったらしい。」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る