間章 春の七草ミニ図鑑
春の七草ミニ図鑑
作中に登場する春の七草たちのプロフィールをまとめています。
正式名称や生育場所、開花時期は『デジタル植物図鑑(旺文社)』および『広辞苑第六版(岩波書店)』ならびに『ブリタニカ国際大百科事典(ブリタニカ・ジャパン)』を参照しています。
メモは作者の私見を交えたネタ帳です。
【セリ】
・セリ科セリ属(Oenanthe javanica)/芹
・生育場所 :湿地・水田
・開花時期,色 :夏・白
・メモ:
万葉集にも詠まれるほど、日本人には古くからなじみのある植物です。水のきれいな渓谷という、春の七草の中では最も人里離れた場所に育つため、しょっぱなから話のネタに苦しみました。他の6話と話の雰囲気が違うため、連作のつかみとしてはあまりよろしくなかったと反省。田んぼネタにすべきだったか…
【ナズナ】
・アブラナ科ナズナ族(Capsella bursa-pastoris)/薺
・生育場所 :道端・田畑
・開花時期,色 :春・白
・メモ:
またの名をペンペングサ。果実の形が三味線のバチに似ていることが由来だそうです。個人的には公園の芝生広場に生えているイメージが強いです。見た目の可愛さもさることながら、実は解熱、止血作用もある(らしい)万能草。子どもが遊んでいるとありきたりな画になるので、ギャップがある人に遊んでもらいました。
【ゴギョウ】
・キク科ハハコグサ族(Gnaphalium affine)/御形
・生育場所 :道端、畑
・開花時期,色 :春、黄色
・メモ:
正式名称は族名になっている母子草(ハハコグサ)。茎と厚い葉には白い毛が生えます。根を地面にはやして冬を乗り切る越年草です。春にだけやって来る、1年層の植物たちを待つ「常連」をイメージしました。
【ハコベラ】
・ナデシコ科ハコベ族(Stellaria media)
・生育場所 :道端、畑
・開花時期,色 :春・白
・メモ:
正式名称は族名になっている繁縷(ハコベ)。名前の由来はよく茂ることから。小鳥のえさとしてよく利用されることから、ひよこ草ともいう。そのまんま鳥の餌のストーリーになりました(四作目で早くもネタが切れる)。
【ホトケノザ】
・キク科ヤブタビラコ族(Lapsana apogonoides)/仏座
・生育場所 :水田
・開花時期,色 :春〜初夏・黄色
・メモ:
正式名称は小鬼田平子(コオニタビラコ)。葉がロゼット状に丸く広がることから、“仏座”の名が付けられた。現在「ホトケノザ」と俗称される植物は全くの別物(個人的にはこちらの方が仏座っぽいと思う)。webの植物辞典で見ても書かれている生息場所が「水田」ばかりなので、田舎町で働く兄弟のイメージで固まりました。
【スズナ】
・アブラナ科アブラナ族(Brassica campestris)/菘
・生育場所 :畑
・開花時期,色 :春・黄色
・メモ:
いわゆるカブ。菜の花に似た黄色い花が咲く。おいしい。秋に植え、冬に収穫する。品種によっては家庭菜園での栽培も可能。
下記スズシロと相まって、畑に埋まっているイメージしかありません。が、全植物を違う生息地で出したかったので、無理やりプランターで育ててもらいました。
【スズシロ】
・アブラナ科ダイコン族(Raphanus sativus)/蘿蔔
・生育場所 :畑
・開花時期,色 :春・白, 紫など
・メモ:
いわゆるダイコン。大きい根っこが名前の由来(そのまんま)。収穫時期はスズナと同じくらい。切り干し大根は、切ったスズシロを半月ほど干すとできるとのこと※気候や地域によって差がある。畑に埋まっているイメージ(以下略 ですが、田舎のいわゆる畑ですと仏の座とシチュエーションが被るため、学校の畑にしました。校庭で農作業ができる学校に通ってみたかった。
春の七草に登場するアブラナ科の植物は、スズシロで3体目である。アブラナ科=春の植物の象徴と言っても過言ではないかもしれない。そしてその頂点に君臨する菜の花。
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