バイオレンスを軽いノリで描く

 現代日本を舞台とするオカルトバトルもの……なんだけど、主要キャラの戦い方が殴る、蹴るがメインという最近では珍しい作品。超能力や術もあるけども、なんの説明もなく二段ジャンプしたりとか格ゲーのノリが入っている。
 作品の雰囲気は明るいが、戦闘描写は結構グロい。むしろスプラッタなのに陰鬱さがないのはかえってホラーでさえある。北斗でケンシロウがモヒカンをあべしさせるような気軽さはまさに世紀末。いや、現代日本ですよね!? 

 また、登場人物のキャラがいちいち濃い。たまにくどく思えるほど濃い。主人公が出ないでサブキャラオンリーのシーンも結構ある。

 まず主人公。
 チンピラっぽい青年で、巨乳美少女になっても中身が変わらずマイペース。描写されてないだけで風呂もトイレも平然と済ませていそうなタフガイ。外見描写がないと女の子なのを忘れてしまいそうになる。
 ぶっちゃけもっとお色気シーンとかあってもいいのよ?

 メインヒロインっぽい主人公の恋人はキャラが掴みにくいが主人公との関係は完全にバカップル。ちなみに非処女らしきセリフがあるが、相手は主人公らしいので許せるかどうかは人によるだろう。私は許せる。
 あと主人公のおっぱい揉んだり、サブヒロインに見惚れたり、タグのガールズラブは多分、こいつの行動を指してるんだと思われる。

 ラブコメならダブルヒロインになってたであろう、主人公の所属組織のエリートロリは普通に常識人。年齢が出ているキャラの中では最年少なのに、私服がゴスロリドレスということ以外はまとも、かつ普通に優秀。個人的にはこの子の無双シーンが見たいな。

 個人的なお気に入りが下半身露出狂の女。恋人の娘を大切にしているいい人。年長者で思慮深いようなそうでもないようなところに、慣れない中間管理職をやらされてしまった営業マンのような雰囲気にシンパシーを感じています(なんとなくそんな雰囲気で)。

 総評として、ギャグやキャラクターがツボにハマった人には面白いのではないかと。作者の人も万人受け狙ってないようなので、試しに一読してみてはどうでしょう。意外な掘り出し物かもしれませんよ?