第166話 来賓来る

祭りの始まる二三日前のこと、隣国から使者が到着。

年明け早々に王太子殿下の誕生日があって、春先に成人の式典があるのの前祝い、とかいう口実ら・し・い。建前、お祝いの為、実は顔合わせ…ら・し・い。

部外者だし、らしい話しか知らない。

他国からは本番の式典にしか来ないのにね。

で、部屋を端っこに移されました。

御来賓本人は先王の妹が祖母という次期公爵様なんで、王宮の方にお供一人とお泊まり。で、お供に付いてきた騎士様二人は、同じ並びの反対側中程へお泊まりになるんだと。

いつぞやの面子なんだろうな。


こっちも気を付けてはいたんだが、こういう時に限って、うっかり出くわしてしまう。

「あ…!」

あ、じゃねーよ。声出すなよ。赤の他人だ他人。初対面の見知らぬ他人!

「ねぇ、エーちゃん、お客様ぁ?」

素知らぬ振りで、聞いてみる。

会わないよう気を付けて手配していただろう、エーリーズの表情が固い。

「はい、建国祭のお祝いでいらした公爵様の、お供の方々です」

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