第165話 移動しまーす

お兄ちゃん、すっ飛んできましたけど、ヤだよ。君は重いから。

「どこ行くの?どこ行くの?」

セヴリップも一緒に歌う。

あれだな、百円入れると動く乗り物。ああいう感じ。小さい子が好きなヤツ。

「階段下りるよー」

またカニ歩きで、横向いて一段づつ下りる。

小さな手でぎゅうっと掴まれて痛い…

階段下でまたくるくる。そして、中庭出入口の辺りまで「どこ行くの?」と移動。

よーし、いたいた。監視担当の兵隊さん。

「何してんだ、ババア」

「…ゴーネスト、こりゃ幸いw」

「あ?」

お兄ちゃんの担当させてしんぜよう。

まぁ、嫌な顔されたけど、王子様が「命令だ!」って。

ジェンドガムはゴーネストに遊んでもらう。

そしたら奴は、軽くダッシュに、小さくジャンプ。

…おい、怪我だけはさせるなよ。

王子様は喜んでるけど、侍女さん、見ていてひやひやしてんだろうな。

あっちへよたよた、こっちでくるくるしてるだけでもセヴリップは喜んでくれる。

でもって、そろそろ疲れた。

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