第163話 試作だ試食だ

ポテト三種類、皿に山盛り。いずれも塩のみ。

いや、おかずにはならんのだけども。

「言われた様に作ってみたよ」

ポテチをつまむ。

分厚いな。スライサーが欲しいとこ。

フライドポテトをつまむ。

ハンバーガー以来、たまに皿に乗ってるヤツ。

ハッシュドポテト。

冷食のミニハンバーグサイズ。揚げたてでサクモチ。

「これが無難。一番好み」

ハッシュドポテトを指して、感想を述べた。

周りの野次馬が一斉に手を伸ばしてくる。みんな一通り口にしてから、品評会。

「同じ種類の芋で、揚げただけなのに」

「この薄いのはパリパリで芋じゃないみたい」

「塩だけなのに、違う食い物みたいだ」

「ずいぶん食感が変わるんだな」

塩だから、飲み物も欲しいよなぁ…

「ねぇ、一緒に出すならお茶とお水、どっちがいいと思う?」

「コーヒーも売れば?」

マリアネはびっくりした顔をする。

「コーヒーなんて売れるかな?」

「砂糖入れるか、温めた牛乳入れると…」

最後まで聞かず、「作ってみる」と厨房へ。


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