第100話 余計なお世話、なんだろう

話が王子様達のことになってきた。

セヴリップ王子が遊んでもらって感謝しているとか、勉強をするようになったとか。

なので、こっちもこの際だからと。

「差し出口だけど、侍女のローテーションを奨めます」

「ローテーション?」

「担当者の入れ替えです」

王妃様の横にいた、女官長かな?凄い顔で睨んでくる。人事担当なんだろうな。

「何か至らない点でも、目に付きました?」

「生まれた時からの侍女なんじゃないですか?」

「ええ、そうです」

あのウチの子一番、的なのはそうだろう。

「優秀なのだとは思いますが、流れる水は腐らずとも、転がる石は苔むさずとも言いますから」

「それはどのような意味でしょう」

王妃様の後ろからの低い声。おお、怖い怖い。

「視野が狭いように見えます。姫様、王子様にではなく、王家に仕えている自覚が不足してますよ」

女官長の表情が、真剣な顔付きに変わる。

「何年か置きに、半分くらい入れ替えるのが妥当では?」

小さい会社ならともかく、こんなでかい職場で人事異動無しじゃ、本来向いてる才能があっても本人の中で朽ちていく。もったいない。





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