第23話 街中サイクリング

先を走るエーリーズは顔見知りが多いのか、あちらこちらから声をかけられる。

「その乗り物は何?」

「自転車って言うのー」

通り過ぎざま答える。続いてこっちもニコヤカに「こんにちはー」と横を走り過ぎる。

ヤバイな。すぐに中国かベトナムか並みになるかもな。興味津々な視線が注がれている。

人の間をゆっくり走りながら、人身事故起きる前に規則が必要だと思う。戻ったら、すぐ小父さんたちを呼び出そう。最低でも右か左か走行位置決めてから、職人兄弟に必ず説明させて売るようにしないと。

前回、お団子で散策を中断した辺りには公園があった。

「エーちゃん、公園で休憩ー」

後ろから呼び掛ける。

「あ、はーい!」

すぃーっと方向が変わる。

まだ、ぎこちないけど慣れたよね。

公園内のベンチに座ると、すぐさま好奇心のカタマリさんたちに囲まれる。

「何コレー!」

「スゲー!」

いやはや、チビッ子はいずこも同じだわ。

「乗りたい!」

それは却下。子供用じゃないからねー。



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