第17話 一階

窓口のような。役所や銀行の窓口。といえば何となく分かるかな?こっそりドア開けて、裏側から見てる。

食堂の下になる辺りでは、野菜やらが受け付けられている。

階段下中央のやや左側正面にはでかい扉。扉から真っ直ぐ続く通路は、中庭を突っ切って別棟、王様一家専用棟へ。二階へ上がる階段だけ逆振りな理由は、この通路のためか。

呼び出されたのは、王家棟の一階広間だった。エーリーズに連れられ、中庭抜けて三階まで連れてかれたっけ。さすがに当初はちょっとパニクってて、あんまり周り見てなかった。

中庭には季節の花が咲いている。彫刻なのか、花器を支える台座なのか、ところどころにオブジェやベンチが置かれている。

平和っていいねぇ。かなーりオープンな城だよ。敵襲無いと、防壁じゃなくただの塀に、誰何するだけのただの門。

「いい国だね、エーちゃん」

「はい」

嬉しそうに頷く。

街と反対側に貴族や、それに仕える人達が住む、大きめの建物が並んでいる。晴れた日にあっちも見てきたい。

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