第21話 近くを回ろう

練習だし、まずは前回行った範囲ぐらいを想定。

城へ用事で来てる皆さんも、物珍しげに見てます。

今回の最新型は、職人兄弟が自分たち用に作ったらしい自転車。それにリヤカーを引いて、一号車改を載っけて来ました。

「これ、楽ですよ!」

ナントが笑顔で言った。

城の前は坂だから押して上がって来たんだろうが、街中では乗ってたんだろう。

大八車と違って箱が載ってるから、小さな荷物なんかも、固定せずちょい載せ出来る。

「自転車もリヤカーも、いくつか注文もらいました」

早いな。そしてテルトも嬉しそう。

前回頼んでおいたカゴが、ハンドルの前に取り付けてある等々、第一号車は色々バージョンアップして戻ってきた。

二号車にもカゴを装着してもらう。

「じゃあ、行こうか?」

「本当にこれで行くんですか?」

何を今さら。さんざん練習したじゃない。

困惑しきり、に見えるけど、ちょっとだけワクテカが浮かんだ表情してるよ?

よぉし、出かけるぞー。

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