第11話 頭を抱える

エーリーズは急いで二百五十払うと、腕を引っ張ってそこから離れた。

「…聖女様は書かなくても計算出来るのですか?」

え…え…えー?そこからー?

「消費税でも付いてるのかと思ったら…」

「消費税?」

単純な掛け算すら出来ないとなれば、教える方教えるのが急務じゃないか。教育革命必須なのは当然として、それ以前なのかーっ。

「聖女様は皆様賢い方ばかりだと伺っておりましたが…」

感動したような顔しないでっ。自分の買い物なんかは、ざっくりドンブリ勘定なんだから。ボーナスで通常月の生活費補填なんてザラだから。

日本はさ、商人の国なんだよ。昔っから読み書き算盤って、親が子の尻叩いてたんだよ。長屋の棒振りだって仕入れて売って、当日の生計分引いて、翌日仕入れ分計算してたんだよ。今まで召喚された人って、ここの国民が書かなきゃ計算出来ないって知ってたのか?

何というか愕然とするわ…

そりゃ、今後の発展とか見込めないわ。


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