第10話 街へ

すでに三日閉じ込められてる。

退屈でエーリーズに街を見たいと言った。案の定、小父さんたちに却下された。

「ねぇエーちゃん、おばちゃんね、子供の頃お転婆だったんだよ」

学校に実のなる木があって、上ってむしって食べたりしたさ。

「今でも割りとやっちゃうよ?」

三階くらいの高さなら何とかなるでしょ。ドアに鍵かけただけで閉じ込めたと思うなよ。


そんなこんなでエーリーズに連れられて街へ出かける。

「あの、聖女様、あんまり目立つことはなさらないように、お願いいたします」

「うんうん、おばちゃんて呼んで。あの店、食べ物売ってる?買っていい?」

財布はエーリーズなので、聞いてみる。

団子だー、みたらし団子!言葉通じるとこからしても、何人かは日本人聖女様だよね。

筆で一本五十と書いてある。

「五本ちょうだい」

「あいよ」

愛想良くおっちゃんが紙皿に五本乗せる。

「エーちゃん、二百五十」

おっちゃんとエーリーズが、えっという顔をした。

ん?消費税とかあるの?

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