第3話

第3話


(土曜日の礼拝、シナゴーグ)

アンナ:「はっ、はっ、はっ、はっ、おはようございます。」

恵:「おはよう。」

歌南:「寝坊して走ってきたのね?」

アンナ:「!バ、בדק(バドク)・・・・・・。」

歌南:「髪ぼさぼさよ。」

アンナ:「えっ!?あっははは・・・・・・。あっ、ラビさん、בוקר טוב(ボケル・トヴ/おはようございます)。」

ラビ:「בוקר טוב(ボケル・トヴ)。アンナちゃん、待っていたわ。あなたが司会の当番なのに来ていないことに心配していたわ。」

アンナ:「מצטערת(ミツタ・エレット/ごめんなさい)。」

アイドルとなり宣材写真も撮ったアンナちゃん、気を抜いたせいか寝坊してシナゴーグの礼拝に遅刻しそうになった。

 土曜日の礼拝が始まり、出張関係で日本にいる大勢のユダヤ人の前でひかりはピアノを弾き、アンナ、恵、歌南、律は歌詞に沿って歌ったのである。最後にラビの演説が行われた。

(WP001プロダクション_ダンススタジオ)

石井:「ふむふむ、ふむふむ、最後のステップで少しぶれがある。そこしっかりと。」

ひかり:「はぁ・・・・・、はぁ・・・・・、はい・・・・・。(汗)」

石井:「あとガチで疲れている顔している。疲れているがいつも笑っているように。」

ひかり:「はい・・・・・。(汗)」

石井:「恵は早すぎる。周りもよくみる。」

恵:「はい・・・・・。」

石井:「鳥はここのところであまくなっている。しっかりと。」

鳥:「へぇ・・・・・。」

音梨:「うんうん、全員より歌詞を使わないで覚えたね、いいですよ。あとは石井さんと話してみるわ。」

Déesse:「ありがとうございました。」

レッスンを終え、みんな帰宅する。その頃、冷たい雨が降っていたのである。

アンナ:「いよいよアンナたち、舞台に立てるのね、本当にワクワクしてきた。」

歌南:「アンナ、気持ちはわかるが、あまりヘマをしないでね。」

恵:「いいい、ひひひ、初ステージどんなのにするか考えなきゃ。」

咲:「ガッテン!あっしも決まった。なあ、りっちゃん。」

律:(うぜぇ、こいつ。)

ひかり:「あの・・・・・、その前にプロデューサーと話してどういうのが良いか決めたほうが・・・・・。」

歌南:「たしかに、ひかりの言う通りだわ。明日プロデューサーと話しましょう。(笑)」

アンナ:「うん、わかった。(笑)」

恵:「じゃあね!!(笑)」

レッスンを終え、みんな帰宅した。そのとき鳥が帰っている途中電話が鳴りだした。

(ブブー、ブブー、ブブー、・・・・・/鳥のスマホの音)

鳥:「ん・・・・・?祥(しょう)姉はんから・・・・・。もしもし・・・・・。」

祥:「久しぶりどす、鳥はん。宣材写真見たはる。」

鳥:「あら、見たん?」

祥:「うふふ。今日ん雑誌で見たはる。リーダーんアンナはんは素敵な子ね。」

鳥:「うふふ。アンナはんは実際はおっちょこちょいな子どす。せやかて、うちがアイドルになれたことはえらいうれしいどす。あっ、ようすぐ電車がきますさかいよう切りはります。さいなら。」

祥:「待っておくれやす。せめてユニット名をおせておくれやす。」

鳥:「『Déesse』どす。」

鳥に電話をしたのは従姉の山梨祥である。

謎の女B:「誰に電話?」

祥:「うちのいとこどす。アイドルを始めたと聞いて電話してはりました。」

謎の女B:「・・・・・・・。その人が所属するユニット名は?」

祥:「『Déesse』どす。」

一方別の事務所では。

謎の女A_2:「ユダヤ人がアイドルになるとは過去の事が本当に忘れられん。」

謎の女A_1:「そのような理由で憎むと、一生憎しみを持ちますよ。」

謎の女A_3:「いつも笑顔ぴょん。」

謎の女A_1:「それで、その子の名前は?」

謎の女A_2:「え~と。あったわ。ここに書いてある。」

謎の女A_1:「”平 アンナ”さんか。とてもいい名前ね。魅力もなかなかだわ。(笑)」

謎の女A_3:「キタコレ(゚∀゚)!!」

謎の女A_1:「折角だし、彼女たちの初ライブ見てみましょう。」

ある謎の女がアンナ達たち『Déesse』の初ライブを直接、見ることにした。

次の日のアンナは事務所からのオフをもらい、久々に高島国際女学院高校に通った。クラスメイトから彼女たちの宣材写真見たことで話題になり、学校全体にもアンナを知ることになった。

まいこ:「アンナちゃんの写真姿すてきだったわ。(笑)」

アンナ:「えへへ、アンナ照れちゃう。」

さき:「入学式より魅力あるわ。(笑)」

アンナ:「え~本当?ありがとう。(笑)」

イーラン:「それで、今後どうするの。」

アンナ:「私たちは3週後、『Déesse』全員で初ライブするの。」

さき:「本当?あたしたちも観に行ってもいい?」

アンナ:「はい。見に来てくれると本当に嬉しいわ。」

まいこ:「じゃあ、他の人にもお願いしてみますね。」

アンナ:「まいちゃん、本当に喜んで、気合いれて頑張るね。」

生徒A:「ねぇ、あの子がそうじゃない?」

生徒B:「本当だ。本当に美白少女だわ。」

(高島国際女学院高校_職員室)

先生:「歌南や律は問題ないが、あのおしゃべり子猫ちゃん、そこから初ライブになるとは。さすが決めたからには本当にやる子だ。」

アンナは久しぶりの学校でクラスメイトとおしゃべりしたりして楽しんだ。また学校では勿論っ雑誌を読んでいる人も『Déesse』を注目する人もいるが時々一部でアンナへの悪口もある。

悪口男性A:「新しく出来たばかりのWP001プロダクションのもとでレッスンだって。話にならん。」

悪口男性B:「それにあのグループのリーダーはユダヤ人の子だってね。」

悪口女性:「ほんと。あんな子に一体何ができるという。」

学校から帰る途中アンナはあの3人の悪口の会話を密かに聞き、見て見ぬふりをしながら通り過ごした。彼女にとってその悪口は心に深く痛むのである。

アンナ:(アンナはユダヤ人。はるか昔から激しい差別されてきたの。それにお父さん、お母さんが、・・・・・・・・・。)

今から15年前にさかのぼる。

(15年前のチェコのシナゴーグ)

イスラム過激派:「我らアラーの為に、異教徒のユダヤ人共、全員死ね~!!!」

(バンバン(銃声))

ユダヤ人:「ワー。(悲鳴声)」

お母さん:「あなた~!」

お父さん:「わしを置いて先へ逃げろ。」

マリカ:「ママ、後ろ」

お母さんはまだ赤ちゃんであったアンナをマリカに託しマリカ達を逃がした。そして自ら盾となった。

お母さん:「マリカ、早く!」

マリカ:「ママ~!」

お母さん:「マリカ、アンナ、どうか無事で・・・・・。愛しているわ・・・・・(笑)。」

(バ~~ン!(銃声))

15年前アンナは実のお父さん、お母さんがイスラム過激派に殺された。

お養父さん:「うそでしょう、イェリネクさんが。」

お養母さん:「なんておいたわしいことに(涙)。」

警察官:「病院に搬送されましたが、死亡が確認されました。誠に残念です(悲)。そしてこの2人の女の子、赤ちゃんがイェリネクさんの娘さんです。」

お養父さん、お養母さんはまだ赤ちゃん、4歳であったアンナ、マリカをみて涙をだす。

お養父さん:「昔、イェリネクさんに大層お世話になった。それなのに何も恩は返せなかった。わしはこの2人を大事にする。」

お養母さん:「そうね。イェリネクさんにしっかり御恩を返さないといけないわ。」

結果アンナ、マリカは日本人夫婦の養女として日本で育つことになった。それが今でも心に残っているのである。

アンナ:(今でも一生忘れられない御恩が心に残っているの。そのため、ユダヤ人として生き抜くため、めぐちゃんがアンナのために進めてくれたの。アンナ、そのプライドは捨てられないわ。)

翌日アンナは事務所に戻った。

佐々木:「アンナ、ひかり、2人には今日、チラシ配りをお願い致します。あと・・・・・・・・・。」

アンナ、ひかり:「はい。」

アンナ:「あの、『Déesse』の初ライブをやります。」

ひかり:「よろしくお願いします。」

アンナ:「平アンナで~す。」

ひかり:「榛名ひかりで~す。」

アンナ、ひかり:「よろしくお願いしま~す。」

佐々木:「今日からWP001プロダクションに入った加尾(かお)さんです。」

加尾:「はじめまして、加尾結菜(ゆうな)です。今日からこの事務所で働かせて頂きます。またアンナさん達とも仲良くなれたらと思います。」

はじめて入った加尾結菜さんは20代初期の女性。WP001プロダクションの事務員として働くことになった。そして入って早速、アンナとひかりのチラシ配りの手伝いをした。

加尾:「アンナちゃんは、はじめてアイドルになるようですね(笑)。」

アンナ:「あ、はい。」

加尾:「緊張しなくていいよ。友達気分で話して(笑)。宣材写真は終わったよね。」

アンナ:「はい。終わったよ。」

加尾:「じゃあ、もう初ライブに向けて準備だけだね。」

アンナ:「はい。アンナ、このライブ成功させます。」

加尾:「楽しみ。あっ、よろしくお願いします。うふふ。あっ、そろそろひかりちゃんのほうも手伝わなきゃ。アンナちゃん、またあとでね。」

アンナ:「はい。」

一方ひかりのほうは、

イーラン:「あらひかりちゃん(笑)!」

ひかり:「あら、イーランちゃんにまいちゃん、さきちゃん。」

まいこ:「チラシ配り大変ね。」

ひかり:「あはは・・・・・・・。」

さき:「一枚貰っていい?」

ひかり:「はい、どうぞ。」

さき:「やったー!」

まいこ:「アンナちゃんによろしくお願いします。チラシを貰いましたのでライブに行きますと。」

ひかり:「はい。喜んで。」

イーラン:「じゃあね。」

ひかり:「ありがとうございました。」

ひかり:(初ライブ、わくわくします。)

(ピロンピロン、ピロンピロン・・・・。/ひかりのスマホの音)

ひかり:「あっ、はい。」

加尾:「あっ、もしもし、ひかりちゃん。」

ひかり:「あっ、はい。」

加尾さんはひかりと集合し、こんどはひかりのほうの手伝いをした。

アンナ:「わぁ、凄い!ここがアンナ達の初ライブをする所!?下から出てくるジェットスモーク、光り輝くライト、はぁ~楽しみ~!」

恵:「いいい、ひひひ。そうだろ!?燃えてきたでしょ!?」

アンナ:「はい!」

歌南:「本番前までに燃え尽きないでね・・・・・・。(呆れる)」

チラシ配りを終え、翌日アンナは初ライブをやるステージを見に行った。アンナ、ひかりがチラシ配りをしているその頃、恵、歌南、律、咲、鳥が下見のため初ライブをするステージを見たのである。今日アンナ、ひかりは恵、歌南のサポートをもとにステージをみた。勿論、佐々木プロデューサーもステージを見に来たのである。

ひかり:「ところでめぐちゃん、歌南ちゃん、りっちゃん達は・・・・・。」

歌南:「律達は今日チラシ配りよ。アンナ、ひかりと交代よ。」

スタッフ:「誠に申し訳ございません。」

アンナ、ひかり、恵、歌南:「!?」

佐々木:「そうですか。はい。わかりました。」

アンナ:「あの~プロデューサーさん!」

歌南:「どうかなされましたか?」

佐々木:「すまない。実は本番で使うジェットスモークが昨夜誰かに壊されたの。」

アンナ、ひかり、恵、歌南:「えっ、え~~!?」

歌南:「そういえば、今日わたしたちがステージに入ろうとしたとき警察官がステージを調べていたわね。」

佐々木:「はい。その調査です。」

アンナ:「え~?それじゃあアンナ達の初ライブは延期に?」

佐々木:「いえいえ、予定通りにやるわ。それは約束する。ただ、スタッフさん方がやり方を変更する形でやります。君たちはいつものダンスの仕方で大丈夫です。」

歌南:「わかりました。」

ステージで問題が発生した。『Déesse』の初ライブで使う機材のひとつ、ジェットスモークが誰かに壊されたのである。これでは天上のライトのみライブとなるので、企画の変更を余儀なくされた。歌南はすぐに律に電話した。

律(スマホ):「えっ、ガチでそんなことに?だったらプロデューサーに延期するように伝えればいいのに。」

歌南:「わたしも思うわ。しかしライブに来るお客様に迷惑を掛けたくないわ。スタッフの方々にわたしは掛けるわ。予定通りのライブにするわ。」

律(スマホ):「歌南がそういうなら、仕方ない。」

歌南:「咲、鳥にもよろしく伝えて。」

律(スマホ):「わかった。」

チラシ配り、ステージを見たアンナ達はいよいよリハーサルを始めた。

スタッフ:「光の鮮やかさはこれぐらいでいいでしょう。」

律:(凄い工夫。)

スタッフ:「平さんが踊り始めたら、榛名さん、加部さん、山梨さんは左から、藤原さん、川原さん、佐伯さんは右からの登場です。平さんは幕が上がる前にステージのど真ん中に。」

Déesse:「はい。」

スタッフ:「一度やってみよう。」

『Déesse』のリハーサルが始まった。アンナは幕が開く前にステージのど真ん中に立った。そして幕が上がったら彼女は踊り、同時に左右から『Déesse』のメンバーが出る形となった。

スタッフ:「オッケーでーす。もう一回やろうか。」

鳥:「ところで、ライブをやる前に、掛け声が必要どす。」

咲:「ガッテン、「ガッテン」でええ!」

鳥:「咲はん、咲はんはよろしゅうと思いはるが、アンナはんらがどうはるかどす。」

鳥:「うん?アンナはんら同じもん持ってはりますなあ。これは何どす?」

アンナ:「これは、ハムサのペンダントです。ユダヤ教の御守りです。」

鳥:「ユダヤ教?」

咲:「アンナはユダヤ人の子だべ。」

鳥:「あら、お初にお聞きました。」

アンナ:「はい。アンナはユダヤ人です。(呆)」

鳥:「そんで、あんさんもどす?」

ひかり:「えっ、あっははは。」

アンナ:「いえ、ひかりちゃんたちは本当に日本人です。ユダヤ人はアンナだけです!ひかちゃんたちはアンナの付き添いで・・・・・・。」

鳥:「なるほどどす。しかしかて、そんペンダントはえらい美しおす。」

アンナ:「ありがとう。」

鳥:「ほな、あんさんたちの掛け声でうちと咲はんは後ろで見ていはります。」

咲:「え~!?」

鳥:「咲はん、アンナはんたちがお揃いんペンダントを持ってはります。そら、お互いん絆ん意味を表しはります。絆を壊しいやへーけまへん。」

アンナ:「鳥さん、アンナ頑張ります!」

ひかり:「ひかりもやります。」

歌南:「鳥さんが私たちお互い絆を掴んでいることをわかってくれて、本当にやる気が出てきたわ。やりましょう。やるからには妥協なしよ。」

 掛け声がきまり、アンナ達は明日に向け、解散した。その頃は金曜日の夕方であるため、アンナ、ひかり、恵、歌南、律はシナゴーグに行って礼拝することにした。

(シナゴーグ)

ラビ:「あら、アンナちゃん。それにあなたたち。」

アンナ:「ערב טוב(エレヴ・トヴ/こんばんは)ラビさん。明日初ライブですので、今日礼拝を受けたいです。」

ラビ:「うふふ、どうぞ中へ。そうだ、今日はマリカちゃんがおりますよ。」

アンナ:「えっ!?わっ!マリ姉ぇ!」

マリカ:「アンナ。」

ひかり:「こんにちは。」

歌南:「ご無沙汰しています。」

恵:「うぃーす。」

律:「・・・・・・。」

アンナ:「今日は金曜日だよ。大学とかは、」

マリカ:「大学なら今日は終わったよ。それで、明日初ライブをすることも知っているわ。」

アンナ:「はい。今日はそのためのお祈りで来たの。あっ、マリ姉もよかったら・・・・・・、」

マリカ:「行くわ。そのため、事前にシナゴーグで礼拝を受けに来たわ。パパもママも来るわ。」

アンナ:「ホント!(笑)」

マリカ:「あなたたちの初ライブで良い成績をあげるよう。礼拝にきたわよ。」

マリカに抱きつくアンナ:「マリ姉ぇ~~!」

マリカ:「はいはい、そうやってすぐ抱きつかない。」

ひかり:「アンナちゃん、マリカさんが頼りになるとすぐ抱きつくのね。(笑)」

歌南:「本当に幸せそうだわ。(笑)」

恵:「姉妹仲良しで本当クールだわ。(いいい、ひひひ)」

アンナ:(初ライブの成功を祈りますように。)

ラビ:(熱心に祈っていますね。本気にやるようだね。)

日付が変わり、いよいよ『Déesse』の初ライブの日が来た。ステージはまだ幕が閉じ始まる事前である。観客が次々と観客席に座るのである。およそ2,000人の観客で、更にテレビカメラの方々も来ていたのである。

(わいわいがやがや/観客たちの声)

イーラン:「まいこ、さき、はやく。」

さき:「はい。」

まいこ:「まってー。」

イーラン:「ここなら見られるわ。まいこ、さき、チケットよ。」

まいこ、さき「ありがとう。」

(アンナの家族のほう)

お養父さん:「ここでいいだろう。あの子のライブ見届けよう。」

マリカ:「お養父さん、スマホの高さこれぐらい?」

お養母さん:「いいですよ、マリカ。丁度いい高さよ。」

一方『Déesse』のメンバーは全員衣装に着替えて待機していた。

(ステージ控え室)

戸惑うひかり:「凄いお客さん。」

戸惑うアンナ:「本当に緊張してきた。」

戸惑う律:「・・・・・・。」

鳥:「?アンナはん、ひかりはん、律はん、顔、青ざめとるよ。」

歌南:「・・・・・・。(そのあとため息をつく)」

緊張して青ざめていたアンナ、ひかり、律、そんなときに歌南がアンナとひかりの肩をたたく。気合の入った言葉で言った。

歌南:「アンナ、ひかり、律・・・・・・、」

驚くアンナ、ひかり、律、:「!?」

歌南:「やりますよ!やるからには妥協なし!前に進みましょう!」

アンナ:「はい!」

スタッフ:「スタンバイお願いします。」

歌南からの熱血な声掛けにアンナ、ひかり、律は気合モードになった。そして開始前に咲、鳥を除いて『Déesse』のメンバーはハムサのペンダントを出し。そして掲げた。

アンナ:「みんな、いい?」

歌南:「うん!」

ひかり:「はい!」

恵:「当然だ!」

律:(コクン/顔をたてにふる)

アンナ:「わたしたち、絆は・・・・・・、」

アンナ、ひかり、恵、歌南、律:「ひとっ~つ!!」

スタッフ:「5秒前、4・・・・・・、3・・・・・・、2・・・・・・、1・・・・・・、スタート。」

掛け声で『Déesse』のメンバーは気合いが入り、初ライブが始まった。音楽が流れたと同時に幕が上がる。そしてステージのど真ん中でアンナが踊りだし、後から左右から他のメンバーが登場した。さらに日々の練習通りのダンスステップを披露した。アンナが『Déesse』の中心としてダンスと歌を思い切り披露したのである。

司会者:「『Déesse』のみなさん、最高でしたわ。みんな、『Déesse』の応援ありがとう。改めて、ここに立っています『Déesse』は今日初めてのライブです。では、『Déesse』のメンバーの自己紹介をしたいと思います。まず、最初アンナさんから。彼女は『Déesse』のリーダーで明るい子です。」

アンナ:(ここは練習通りに・・・・・・。)

アンナ:「みなさん、שלום(シャローム)!!!」

観客:「שלום(シャローム)!!」

アンナ:「今日はじめて初ライブに出ました。平アンナで~す!誕生日は8月1日で~す!みんな、今日の初ライブどうだった!?最高だったらחזק(ハザク)と是非いってみてください。」

観客:「חזק(ハザ~~ク)!!」

アンナ:「ありがとう。みんなもとてもחזק(ハザク)だよ!」

アンナ:「今後もわたしたち『Déesse』はみんなのために明るいライブをしたいと思います。みんなからの応援お願いします。みんなに平和(シャローム)を。」

観客:「アンナ、最高だ。ステキ~。オ~~!」

司会者:「次にひかりちゃん、ピュアで天使のように可愛い彼女であります。」

ひかり:「はじめまして、わたし榛名ひかりです。7月7日生まれの15歳です。オムライスが大好きです。あ、あの・・・・・・、みんなのために頑張ります。みんなにひかりを!!」

観客:「オ~~!!」

司会者:「つづいてめぐちゃん、彼女は凄い活発化で運動も大のプロです。」

恵:「うぃーす、みんな!」

観客:「オ~~!」

恵:「めぐちゃんこと川原恵だよ!4月25日生まれだ!みんな、このライブで燃え尽きたか!?」

観客:「燃え尽きた~~!」

恵:「いいねぇ!いいい、ひひひ!今後わたしたちは気合い入れていきます。みんからの熱い情熱を!」

観客:「オ~~!」

司会者:「つづいて歌南ちゃん、彼女はとても真面目で堂々としています。」

歌南:「はじめまして、藤原歌南です。9月5日の乙女座です。ファンのみなさま、今日私たちの初ライブに来て下さり、ありがとうございます。わたしもうれしいです。アンナの言う通り今後『Déesse』はみんなのために明るいライブをしたいと思います。やるからには妥協なし、日々真剣です。」

観客:「オ~~!歌南ちゃんカッコイイ!」

司会者:「つづいてりっちゃん、彼女は『Déesse』のなかで子供でありマスコットキャラでありま~~す!」

律:「誰が子供、マスコットだ!?」

観客:「あはははははは!(爆笑)」

律:「はいはい、わたし加部律、2月10日、以上」

アンナ:「え~~、つまんない。」

観客:「あはははははは!(爆笑)」

律:「ほかに何があるというのよ?」

恵:「たとえば、普段パソコン、スマホがメインだが負けず嫌いなところとか。チビだけと。」

観客:「あはははははは!(爆笑)」

律:「もう、クソ、うぜぇ!かべりつ、全力で歌うわ!」

司会者:「ありがとうございます。つぎは佐伯咲。めぐちゃんと同じ熱血なアイドルです。」

咲:「ガッテン!あっし佐伯咲!12月10日生まれの16歳だぜ。」

観客:「オ~~!」

咲:「あっし、ダンスは黒っぽいんだが、あっしはみなにとーんときた!」

観客:「オ~~!」

咲:「今後、あっし、とーんとくるライブにするぜ。猫も杓子も客もとってみるぜ!」

観客:「オ~~!」

司会者:「ありがとうございます。最後は山梨鳥。京都出身で『Queens』の山梨祥さんのいとこです。」

観客:「おっ!マジで!」

鳥:「お初にお目にかかりどす。『Queens』の山梨祥さんのいとこ山梨鳥どす。5月30日生まれの16歳どす。以後お見知りおきを。」

観客:「オ~~!」

鳥:「みんな最高どしたよ。今日は祥はんがライブに来おへんどした事は誠に残念どすけど・・・・・・。」

祥:「うちはここにいますよ」

観客:「えっ、祥ちゃん、本当だ、祥ちゃんだ!」

鳥:「しょ、祥はん。」

鳥が話しているとき、いとこの祥が観客から声をかけた。山梨祥、彼女は『Queens』のメンバーの1人。鳥と同じ茶髪でロングヘアの美女である。年齢は21歳。アンナ達もはじめて祥を見た時驚いたのである。

アンナ:(あれが『Queens』の山梨祥さん。)

謎の女A_1:「わたしもあの子たちの初ライブを見にきたわよ。」

謎の女A_3:「キタコレ(゚∀゚)!!」

観客:「あれは、『STAR★GIRLS』のリーダー金森月美(かなもり つきみ)、そして4人の副リーダーの1人明上百合(あがみ ゆり)。本当だ!月美ちゃん、百合ちゃん、サインを」

金森月美、彼女は”最強アイドルユニット”と呼ばれた『STAR★GIRLS』のリーダーである。年齢は21歳。歌、ダンス、パフォーマンスのプロで、圧倒的な実力、そしてカリスマ性を誇る。茶髪で黄色い目をし、きりっとしている。

 明上百合は4人いる『STAR★GIRLS』の副リーダーの1人。おてんば娘でいたずらが大好きな15歳の少女。ピンクの髪にツインテールをしている。

司会者:「なんと、今日は観客として『STAR★GIRLS』の金森月美さん、明上百合さん、『Queens』の山梨祥さんが来てくれ、驚きました。折角のチャンスです。今日はゲストとし、3人に上がってもらいたいです。どうぞ上がってください。」

月美、百合、祥は司会者の呼びかけによってステージに上がった。そしてマイクをとった。

月美:「あなたが平アンナ。」

アンナ:「あっ、はい!!」

月美:「素敵なライブでしたよ。魅力も十分ある。」

アンナ:「あっ、はい!ありがとうございます!」

月美:「今後の成長を期待しているぞ。」

アンナ:「あっ、あの・・・・・・、」

月美:「?」

アンナ:「アンナ達『Déesse』は『STAR★GIRLS』さん、『Queens』さんの実力、大変尊敬しています。だから、『STAR★GIRLS』さん、『Queens』さんに負けないグループにしてみます!」

月美:「!?」

百合:「!?」

祥:「!?」

観客:「オ~~!!」

月美:「その目標、気に入ったわ。みなさん、『Déesse』は将来大きなユニットになるわ。彼女たちの今後のライブ、応援しましょう。わたしからも『Déesse』を応援します。」

百合:「キタコレ(゚∀゚)!!百合ぴょんも、やってやります!」

祥:「うちと同意見どす。『Déesse』の成長を見守ろう!!」

観客:「オ~~!!」

こうして『Déesse』の初ライブが終わった。見事な結果を残し、アンナも喜んだ。

スタッフ:「おつかれさまでした。」

佐々木:「おつかれさまでした。しかも『STAR★GIRLS』の金森さん、明上さん、『Queens』の祥さんが来たことに正直戸惑ったでしょう?」

アンナ:「はい、月美さんたちにいきなり会えたことにアンナ、考えもしなかった。」

ひかり:「ひかりも、ハラハラしたわ。」

歌南:「だけど、本当に会えて凄く幸せでしたわ。」

恵:「生で見られて、最高だった!」

律:「お陰でお客さん、あたしたちをマジで注目したわ。」

咲:「けどあっし、鳥のいとこに会えて最高だったぜ。」

鳥:「これ。恥ずかしいどすえ。」

みんな:「あはははははは。(笑)」

月美が様子をみてそれに気づくアンナ:「?」

アンナは一時席を外し、急いで月美のところへ向かう。

アンナ:「あの・・・・・・、月美さん・・・・・・、」

月美:「!?」

アンナ:「あの・・・・・・、サインを・・・・・・、」

月美:「いいよ。」

アンナ:「あは!」

月美:「わたしたち『STAR★GIRLS』に負けないアイドルを目指すそうだね。」

アンナ:「はい。だけど・・・・・・、」

月美:「なら、今度わたしたちのライブに来るといい、わたしたちの実力を知れるだろう。」

アンナ:「あっ、はい。」

月美:「また、わたしたちの他『Queens』もお出ましになるので、その人たちのライブも参考に良いでしょう。」

アンナ:「『Queens』も!ぜひ行きます!」

月美:「あなたたちが来るのを楽しみにしているわ。(笑)」

百合:「つっきー、帰るぴょん。」

月美:「!!では、また。」

月美はその場を去った。

アンナ:「月美さん、ステキ・・・・・・。」

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