第20話異世界勇者
そんなことを繰り返していた日々は瞬く間に過ぎ、作戦通り「異世界勇者」の一団が私の罠にかかった。
何名か見知った顔もある。
_あれは現地の人かな?
私もここに住んで長い。
何人かの知り合いはいた。
その人は頭を軽く下げる程度にしていたため、私も特に声はかけなかった。
代わりに赤毛の人が一言。
「ステキなアトリエですね」
両手を広げて回るようにしながら言うその人に、
「ありがとうございます」
と静かに頭を下げた。
「ねぇお姉さん。このぬいぐるみも作品?」
!
リリアさんが末っ子に捕まっていた。
_そんなに振っちゃダメ!
「てぃや」
リリアさんは幼女が振った瞬間の遠心力を利用して幼女のほっぺにとび蹴りをした。
ぽす
いい感じに足がクッションになり幼女にダメージはいかなかった。
代わりに生きていることがバレた。
「何コイツ生きてんじゃん」
幼女はニヤリと笑い、
ヤバい?
構えをとった末っ子はリリアさんと闘いはじめた。
そんなことより、
「ここには何をしに」
「私達はアリエス・ルゥの遺産を巡っています」
「そこに魔王のヒミツが」
ボソボソと呟く緑の髪の子が背後から、
_それだと違う意味に、、
「お姉さん」
やたら飛び跳ねて私にアピールしてきたもう一人の末っ子は
「カナちゃんがね?」
誰だソレ?
「申し訳ありませんそれ私です」
中学生くらいの女の子がえらく豪奢な服を着て前に出た。
「私達は魔王討伐の王命を受けて魔王城を目指しています」
それには色々謎が多く、まだ解き明かしきれていないというのだ。
まぁそりゃそうだろう。
異世界の国同士の喧嘩を女子中学生に何とかしてくれって、おぃ大人達?
勝手にファーリアの評判落とすなよ。
_もしかして。
「異世界の勇者」なら切り捨てやすいとでも、、
私が嫌な考えに至って首を振ると
「おそらくそうだろうね」
拳で語り合って絆を深めてきたリリアさんが私の考えを読んで答えた。
「そんなことだろうと思って、私達は城下を巡っているの」
リリアさんと戦っていたティさんも私達のところまで戻ってくる。
しかし、それならちょうど良かった。
ここにあるものは殆どが贋作だが、重要なものがある場所くらいはわかる。
「そういうことなら案内するよ」
私は近くに重要な絵を飾ったことを思い出して案内することにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます