第19話八百万の精霊

精霊達の仕事は早かった。


見る間に建物や川ができていく。

_これが本物か。

自分たちがやっていたのがやはり真似ごとだったんだということを思い知らされた。


木の精霊、土の精霊、緑の精霊が協力して何かしていた。


一つの山を作り上げるのに、、あ、水が来た。

_喧嘩してない?

縄張りだったのか何なのか、水が入って喚いている。


遠いのでよくはわからないが、相当 こじれているような雰囲気がある。

「やぁ何かあったの?」

水が言うにはこの辺りは水の通り道だから一度は声をかけてくれないと困るという。


仕方ないので、木、土、緑を集めて私は水を交えて話をした。

そんなことをなぜわざわざ言わなければならないかと詰め寄られたが、


「元々の水の通り道だからだ」

私は時々こうやって精霊の仲を取り持っていた。

別に国に属したものではないので、誰がどこという決まりはない。


ではこうしてみてはどうだろう?


赤龍の言葉を聞き、なるほどそれならと私は精霊達を集めた。


まずはこの場所を自由な落書き張ということにして、それで世界を形作ってみようと試みた。

「ここをこうしたいって?よし」

それでズレた部分だけを補正して、ひとまず自由がどこまできくか試していく。


心配は杞憂に終わり、瞬く間に都市が出来上がっていく。


基盤となる土壌は土の精霊と水の精霊が協力して、建物の設計は木となぜか光が協力していた。


どんなものになるのかと思っていたら、なかなか味のある建物に仕上がっていた。

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