第9話
お義母さんたちが先生の話を聞いて帰って来るまでの間、私は集中治療室の見えるガラスの前で南十星くんを見ていた。
「星来ちゃん!」
その時凛久くんが来てくれた。お義母さんが連絡してくれたんだ。一人で心細かった私はそれだけで涙が出てきた。
「凛久くん…。」
「南十星、なんだって?」
「分かんない…。今、お義母さんたちが聞いてくれてるけど…。」
そう言ってるとお義母さんたちが帰って来た。
「おばさん、南十星、なんだって言ってました?」
「それが、手術は成功して、心臓も正常に動いてるらしいの。ただ、手術中の出血が思いのほか多かったらしくて…それが原因かもしれないって…。」
「そんな…。」
「明日、脳の検査をするって言ってたから…それを待ちましょう。」
「はい…。」
出血、脳の検査…。不安な言葉ばっかり。どうしよう、大丈夫だよね、南十星くん。そう思って南十星くんを見るけど、南十星くんは眠ってる。せめて、見ている夢が、幸せなものならいい、そう思った。
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