第4話
そして、その日は訪れた。
「あれ?凛久くん、おはよう。」
いつもの待ち合わせ場所に、南十星くんじゃなくて凛久くんが来た。
「おはよ、星来ちゃん。ごめんね、南十星じゃなくて。」
「どうしたの?南十星くん何かあった?」
「うん、ちょっとね。今日は星来ちゃんを迎えに行ってくれって頼まれたんだ。…それより今日からテストだけど大丈夫?」
「ふふん、南十星くんに教えてもらったから大丈夫。」
そう、最近は南十星くんに勉強を教えてもらってたから今回のテストは自信がある。
「そっか。…ああ、いいな、こんな可愛い彼女がいるなんて、南十星が羨ましい。」
「ええ?私普通だよ~?」
「いや、マジで羨ましい…。俺も彼女欲しいなぁ。」
「あはは。」
そんな話をしながら考えてるのは南十星くんのこと。何があったのか、心配で仕方ない。それになんだか嫌な予感がする。もう、南十星くんと会えないんじゃないかって思ってしまう。…ううん、そんなことないよね。
そんな考え事をしている間凛久くんは少し心配そうな顔で私を見ていた。
そして、テスト期間が終わった。その期間中に南十星くんは学校に来なかった。
「南十星くん…。」
「星来ちゃん!」
いつもの公園にいると、凛久くんが来た。その手には誰かからの手紙が握られてた。
「良かった。学校にいるときに渡せなかったから、探してたんだ。…これ、南十星から。」
そう言って手紙を渡してくれる。
「南十星くんから…?ってことは元気なの?」
「…その手紙、読んでみて。」
「う、うん。」
そう言って読んでみる。そして全部読んだとき、私は涙を止めることは出来なかった。
「凛久くん、これ…、本当なの?」
私の問いかけに凛久くんは頷いた。
そこに書いてあったのは、南十星くんからの最後の願いだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます