頑張れ!ミラクルワン!!
ミラクルワンを支える紫外線エネルギーは、地球上では急激に消耗する。エネルギーが残り少なくなると、顔色が黄色く変化を始める。そしてもし、その顔が真っ黄色になってしまったら、ミラクルワンは二度と再び立ち上がる力を失ってしまうのだ!
ミラクルワン頑張れ!残された時間は僅かしかないのだ!
ミラクルワンは苦戦している。
秀幸は魂が抜けたように、ミラクルワンの戦いを見つめていた。
「父さん!そんな・・・・・・、ミラクルワンはそんな長時間戦えない!父さんはそれを解かっていて!最後の戦いのつもりであんなことを俺に」彼の父親はその正体をひたすら隠し続けて、この地球(尼崎)の平和を守り続けてきたのだ。
そんな父を秀幸は誇らしく思った。
「秀幸!どうしたの!?体育館に避難しなさい!」声がして振りかえる。そこには同じように体育館に避難してきていた秀幸の母親の姿があった。
「母さん!父さんが、父さんが……!」秀幸は先ほど目の前で起こった出来事を母に語った。
その話を母は唖然とした表情をしながら聞いた。そして、秀幸の話が終わると烈火の如く怒りを露にした。
「お父さんが、お父さんが……、ミラクルワンですって!!!」母の体が大きくなっているように見える。
「か、母さん……?」明らかに彼女の体が膨らんでいる。秀幸は恐ろしくなりその場から逃げた。
「どうしてそんな大事な事を今まで隠していたのよ!!!」鬼のような形相をした母が怒りの声を上げる。
秀幸は、ある程度の距離を取ってから母のいた場所を確認した。そこには優しい母の姿は無く大きな女の巨人の姿があった。
それは……、宇宙人アブールの女王アブーであった。
アブーは、ミラクルワンの元に走っていく。
その気配に気づいた彼は振り返る。一呼吸を置いてから二人は取っ組み合いになる。
「ディア……!!」
「エイ……!!」
「ディア・・・・・・?!」二人は何か会話を続けている様子であった。それは宇宙人達の言葉なのか秀幸達には全く理解できない言葉であった。
いくつかの会話のような物が交わされた後、少し沈黙が生まれる。
しばらくして、ミラクルワンとアブー女王が突然熱い包容を交わしたと思ったら、二人は手を繋いで何処かに飛んでいった。
取り残された怪獣達は茫然と二人の姿を目で追っていた。
同じように、秀幸達人間も訳が分からず空を見つめていた。
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