幸せな光


 電車は軽く 不規則に揺れて

 私を遠くまで運んでゆく

 目まぐるしく変わる景色

 明るい朝の光が 私の後ろから

 そっと注がれる


 まだまだ遠い目的地

 でも 電車はまっすぐにそこへ向かう

 私みたいに 寄り道することなく

 まっすぐに 走っている


 私の気持ち ゆらり揺れたまま

 目的地まで 揺られてはしる

 幸せそうな オレンジの光

 見ちゃいけないものを 見た気がして

 思わず 目を逸らした

 見たくても もう間に合わない

 戻りたくても もう戻れない


 何かを追い求めていくうちに

 孤独になった私

 笑えば良いの

 戻りたくてももう戻れない日々は

 山ほどあるから

 後悔なんて するだけ無駄と

 目を逸らして来た罰


 電車はゆらり揺れながら

 目的地へと近付く

 目まぐるしく変わる景色

 ふと見えたのは 暖かな 幸せな光

 何年ぶりだろう

 視界が滲んだ

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