まとめ
1 西行と比較した空海の立ち位置
この前項でまとめた通り、空海の伝承においては、空海自体が超越的存在=神と互換可能である。
……神仏習合なので(
西行の伝承においては、西行が戻るきっかけとなる歌を詠む存在が神と互換可能であるとは以前の西行の章で話したところ。
と、ここで西行の伝承と空海の伝承、それぞれにおける両者の立ち位置を示したところで。
両者の扱いの違いについては、時代とそれぞれの地位の差がその大きな原因と考えられる。
西行は平安末期の人で、武士であり歌人でもあった、立ち位置からするとヒエラルキー的には中の下、下の上辺りの階級になるだろう人物である。
まあ崇徳院との交流とか考えるとかなり上の方の中での、中の下、下の上だと思うけど。
出家こそしているものの、後世に出来た彼のエピソードは必ずしも仏教と紐づくわけではなく、歌人であることが押し出された話が多い。
一方、空海は平安初期、唐で仏教を学び真言宗の開祖となった、つまりざっくり言えば徳のたかーいmost famous(最上級)な僧である。
庶民が学べる
つまるところ、空海さんは「高野山金剛峯寺建てて真言宗開祖にもなったすごいお人」である空海さんだから、より神秘的で善良なエピソードが時間経過と共に集まるのである。
出る杭は打たれるではなく、より出て行って(あるいは出るようにされてしまった)パターンである。或いは(集まる話が)類友。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます