第3話 王都にやってまいりました

 今日は、蕾の儀で着るドレスを作るために、たくさんの人がお屋敷に来ていた。


「こんにちは、エフィニア様。」

「こんにちは。」


 この人は、クラリス=ラズローさん。ラズロー商会っていう、この国で一番大きなお店の社長さんなんだって。お母さんの実家でもラズロー商会の商品を使っていて、それで仲良くなったんだとか。


「クラリス。早速だけど、今日は蕾の儀のドレスを作ってほしいの。」

「任せて。とびきり素敵なやつを作るわ。」

「えぇ。お金はいくらかかってもいいから、安心して作ってね。」

「それはありがたいわ。」


 私がクラリスさんに抱いた第一印象は、気品のある人だな。っていうことだった。一つ一つの仕草がとても洗練されてて、すごく艶やかなんだ。なんか、お母さんとは違うタイプの美人っていう感じ。あとなんか。お胸が、その、とても大きい。


「エフィニア様、こちらにどうぞ。」


 私がリアムと一緒に部屋に入ろうとすると、


「リアム様はこちらへ。」


 てっきり一緒なものだと思ってたから、びっくりした。


「リアムのも作ってくれるの?」

「当たり前じゃない。娘のドレスを作るのは、母親の数少ない楽しみだもの。」


 神獣のリアムを当然のように娘と言ってくれるお母さんに、私は不覚にも感動してしまった。


「おかあさんだいすき。」

「あらあら。えふぃちゃん。甘えたさんね。」

「まろも!エノーラが大好きだぞ!」

「ありがとう。二人とも!」


 私たちが三人でくっつきあってほっこりしていると、


「一日は短いのよ。エフィニア様とリアム様は、とりあえず採寸を済ましてしまわなければね。エノーラは私と一緒に生地を選びましょう。ヴィル様のお洋服はどうするの?」

「一緒に作ってしまいましょうか。あの人は自分の服には無頓着だから。」


 私は、客間に完全初対面のお針子さん数人と取り残されてしまった。リアムと一緒だと思ってたから、正直めっちゃ緊張する。ドレスを脱いで、体中をメジャーやらなにやらで測られるのは、やっぱり何回やってもなれないな。


「終わりました。お疲れ様です。」


 終始無言だったお針子さんが微笑んで労わってくれる。


「エフィニア様はとても落ち着いているから、作業の進みが早くてとても助かるわ。」

「この年の子供は普通、あまり我慢ができないから、一つサイズを測るたびにお菓子やらなにやらで機嫌をとらないといけなくて、大変なのよね。」


 これで早いほうなのか。軽く一時間はかかってた気がする。お針子さんは私の頭をポンポンっと撫でて、奥から持ってきたかごの中から、小さなキャンディーをとって私にくれた。


「すみません!つい、妹を思い出してしまって。」


 私の目から涙がこぼれたことに気づいて、顔面蒼白になって私の頭を撫でたことを謝るお針子さん。

事故でお母さんとお父さんを亡くして、心が空っぽだったあの頃の私が、孤児院に来て最初にしたことが、服のサイズを測ることだった、あそこでは、おかあさんがみんなの服を縫ってくれるから。採寸中、ずっと無表情で空を見つめてた私に、お母さんは言ってくれた。


「よく頑張ったね。お疲れ様、夕希ちゃん。」


 私が泣いていると、ばたんっとドアが開いて、怒り顔のリアムが部屋に入って来た。


「リアムさま!お待ちください!」

「まだ終わっていません。針が刺さったままでは危ないですよ!」


 私に向かって突進するリアムを必死に止めようとするお針子さんを気にもせず、リアムは私に抱きついた。


「えふぃにあ。なぜ泣いているんだ?」


 心配そうに私の顔を眺めるリアムの姿にまた、涙があふれた。


「何かされたのか?もしかして、針が刺さったのか?違う?お腹空いたのか?ドーナツをもらってこよう。すぐ戻って、」


 必死で慰めようとしてくれるリアムが可愛くて、思わず笑みがこぼれた。


「ありがとう。もう、平気。」


 涙をふいて、飴をくれたお針子さんにお礼を言った。


「あめ、きれいですね。ありがとうございます。急に泣いちゃって、ごめんなさい。」

「い、いえ。こちらこそ、すみませんでした。」


 私たちが謝りあっていると、騒ぎを聞きつけたのかお母さんたちがやってきた。


「何かあったの?」

「採寸が終わったのでエフィニア様に飴をお渡ししたのですが、」

 

 私に飴をくれたお針子さんがお母さんたちに説明している後ろで、リアムが大騒ぎしていた。


「ほら、リアム様、戻りますよ。」

「いやだ!まろはエフィニアと一緒にいるんじゃ!」

「リアム様!困ります。」


 はぁ。まったく。ここは主人として、私がガツンと言わなければ。


「リアム!お針子さんを困らせてはダメでしょう!」

「う、でもまろ、えふぃにあと一緒がいい。」


 そ、そんな上目遣いしたって、無駄なんだから!精一杯ツンツンしたけど、うるうるした目で見つめてくるリアムさんが可愛すぎてどうしようもない。


「じゃあ、急いで測っておいで。そしたら、一緒にあめ食べよう。」

「むぅ。分かった。」


 おとなしく隣の部屋へ連行されるリアム。恨みがましい目で私の方を見つめるのがまたかわいい。


「えふぃちゃん。採寸が終わったのなら、一緒に生地を選びましょう。」


 お母さんはそういうと、私を正面の部屋へ連れて行った。


「わぁ。すごい。」


 部屋の中は、ドレスの記事やレース、色とりどりの宝石なんかであふれていた。


「エフィニア様は白が似合うと思うわ。」

「そうね。あまり露出するとシュウが怒るから、腕は薄い布で隠した方がいいかも。」

「それなら、これなんかどう?」


 クラリスさんが持ってきたのは、向こうが少し透けて見える、真っ白な布だった。


「シルクオーガンジーよ。私のお店で扱っている中でも最高級のものなの。」

「まぁ。綺麗ね。」

「これなら腕を隠せるし、いい感じに透けているから厚ぼったい感じもないわ。」

「スカートもこの素材を使ったらいいんじゃないかしら?」

「いいわね!このレースでスカートに少しボリュームをつけたら素敵じゃない?」

「あら!えふぃちゃんの雰囲気にぴったり。」

「模様は、なにか希望がある?」

「花をあしらったらどうかしら?」

「それなら、これはどう?蔓に花が咲いているデザインなのだけど、エフィニア様にどうかなと思って、まだ公開していないから、被ることもないわ。」

「あら、ラズロー商会の新作デザインね!素敵だわ。裾の方にはダイヤモンドを散らして、踊ったときにキラキラ光るとかわいくないかしら?」

「いいわね!頭には花冠をイメージした飾りを作るわ。靴はどしましょう?」

「そうね。これなんかどうかしら。」


 お母さんたちの興奮っぷりがすごくて、全然話についていけない。早くリアム帰ってこないかな~。


「えふぃにあ…。」


 少しぐったりした様子のリアムが帰って来た。ぽふんっとうさぎの姿に戻って私の上で眠り始めるリアム。


「あら!りあむちゃんも帰ってきたのね!」

「リアム様は髪の毛が真っ白だから、生地は色がついていた方がいいかもしれないわね。」

「そうね~。えふぃちゃんと色違いのドレスにしたらかわいいと思うわ。」

「じゃあ、これはどうかしら?」

「完璧よ!かわいい!かわいいわね!」


 お母さんがぶっ壊れた。


「じゃあ明後日、エフィニア様とリアム様のドレスを持ってまた来るわ。エノーラとシュウ様の服は、私がいい感じのを作っておくから、安心して!」

「えぇ。あなたに任せれば間違いないわね。よろしく頼むわ。」

「じゃあ、また。」


 クラリスさんが指をパチンっと鳴らすと、大量の布やレースが一瞬で消えた。


「え?」

「収納魔法だ。物体を別の場所に転移させる術だな。」


 何それめっちゃ習得したい。


「今夜教えて。」

「お安い御用だ!」


 お針子さんたちも荷物をまとめ終わったのか、クラリスさんの後ろに静かに整列していた。


「エノーラ様。お茶の準備が整いました。」

「ありがとう。クラリス、少し話していかない?」

「えぇ。じゃあ、お言葉に甘えて。」


 クラリス様は、お母さん達と一緒に部屋を出て行った。


「お嬢様。蕾の儀のペアを決めなければならないので、お部屋に候補の書類を置いておきました。目を通しておいてくださいね。」

「分かりました。」


 あぁ、そうだ。蕾の儀って確か男女ペアで出なきゃいけないんだよね。前世だったら適当に選べたけど、今回は流石にそうはいかない。爵位とか、親の職業とか、財力とか。もちろん、顔も性格も重要だ。

 大公爵家とは言っても、うちの領地は辺境だし、候補は10人いるかいないかくらいだろうな。と勝手に思ってたんだけど、


「な、なんじゃこりゃあ。」


 部屋の机の上に、山のように積みあがる大量の書類。300人分は軽く超えるだろう。これ全部読むの?いやいや、無理でしょ!


「どうしよう。」

「まろが良さそうなのを見繕ってやろう。とりあえず、今日は収納魔法を練習する暇はなさそうだな。」


 うん。ていうかこれ、今日中に読み終わるの?徹夜しても無理な気が…。固まる私をよそに、どんどん書類を読み進めていくリアム。


「とりあえず、爵位が侯爵未満のやつは、ごめんなさいだけどこっちに分けて。」


 全部読むのは無理だから、申し訳ないけど仕方がない。私は評判なんてわからないけど、よっぽどやばいところは多分部屋に来る前に分けられてると思う。小一時間ほど書類の山と格闘していると、


「エフィニア、これ。」

「どうしたの?」

「リセル家って、何だ?爵位も書いてないし。変な判子がぼんって押されてる。」

「え?リセルって。」


 王家じゃん。そういえば、お父さんがそんなこと言ってた気が…。


「これ断れなくない?」

「王太子直々のご指名か。流石、まろのエフィニアだな!」


 えっへんするな。王太子と踊ったりなんかしたら、絶対目つけられるじゃん。女の闇はノ―センキューだよぉ。


「ま、いいではないか!これでもう、他のを読む必要はなくなったな!」

「でもさでもさ!どうするの?王太子と踊るとかめっちゃ緊張するじゃん!」

「顔合わせがあるのだろう?何の問題もない!」

「でもさぁ。」


 実は蕾の儀開催日より前に王都入りしないといけなくて、うちは最高位だから、それが一番早い。10日前くらいにはもう王都の屋敷にいなければいけないんだ。ペアとは、式の前に何回か顔合わせっていうのをするんだけど、王太子と二人でお茶会っていうのがもうきつい。私、結構人見知りなんだよな…。初対面の人と親しげに会話とか本当にできない。


「まぁ、何とかなると思うぞ。そうだ!収納魔法を教えてやろうか?夕飯まで、まだ結構時間がある。」

「いいの?」

「もちろんだ!」


 やった~。よろしくです。リアム先生。



 リセル王国王太子、シオン=リセルは、齢5年にして他人に、人生に絶望していた。何故、こんな簡単なことができないのか。分からないのか。生後一か月で言語を理解し、三歳になった頃には学者でさえ頭を捻るような難問をやすやすと解いて見せた。

 王族はもともと、魔力が一般より多い傾向にあるが、彼はそんな王族の中でも、並外れて魔力が高かった。アカデミーの高等レベルの呪文を一瞬で理解し、全て完璧に使いこなしてみせた。

 親譲りの美貌を持った彼には、何もせずとも多くの人が寄って来た。親の自慢か服の話ししかしない女と、ただ威張り散らすだけの無能な男。出来て当たり前のことを阿保みたいに褒めちぎる大人たち。

 全てが、下らなかった。自分はこれから、この糞みたいな世界で一生を縛られて生きていかなければならないのか、と。

 そんな中、噂を聞いた。辺境の大公爵家に、並外れた魔力と美貌を持った令嬢がいると。彼女が今年、蕾の儀に出席するとも、聞いた。期待していたのかもしれない。貴族の中で誰も、姿を見たものはない彼女に。この退屈な世界を壊してくれるかもしれない存在に。

 王太子が何かに興味を持ったのは、これが初めてのことだった。



 今日私は、生まれて初めて屋敷を出る。蕾の儀12日前。とうとう、王都へ発つ日が来てしまった。私が屋敷の人たちと別れを惜しんでいると。


「えふぃちゃん。馬車が来たわ。」


 馬の蹄の音に振り向くと、そこには大きな馬車が何台も並んでいた。まさに豪華絢爛っていう感じの、我が家の家紋が入った馬車。


「おっきい…。」

「王都まではだいたい、二日かかるの。その間、私がいいよって言ったとき以外、窓から顔を出しちゃだめよ。顔を見られたら、色々と危ないから。」


 了解です。


「エフィニア!中すごいぞ!」


 一番に馬車の中に入って、大歓声を上げるリアム。恐るおそる中を覗くと、そこは小さな屋敷の内部のようになっていた。馬車の中に屋敷が入ってる感じだ。


「これも魔法?」

「あぁ。最高級の収納魔法だ!まろも、人間界でこれほどのものを見たのは久しぶりだな。」


 そんなにすごいんだ。でも、確かに。私、普通にこの中で生活できるよ。


「二人とも、そんなに騒がないの。馬車が出発するわよ。」


 あ、待って!まだお別れ言ってない!


「ばいばい!」

「行ってらっしゃいませ。お嬢様。」


 馬車の上から手をふると、みんなが笑顔で送り出してくれた。これから二週間以上会えないのか。ちょっと寂しい。切なさに浸っていると、


「そろそろ飛ぶわよ。」


 へっ?飛ぶ?瞬間、少しの浮遊感。


「お外、見てみていいわよ。」


 窓から外を覗くと、そこは空の上だった。リアムが勝手に外に出てたようで、興奮気味に私にまくしたてる。


「馬から翼が生えてたぞ!」

「え?」


 まさかのペガサス?


「すごいでしょう。うちの領地は天馬の生産地なのよ。」

「真っ白で、すごく綺麗だったぞ!」


 神獣羨ましい。流石に外に出る勇気はないです。


「リアムちゃん。勝手にお外に出たらだめじゃない。」

「は~い。」


 お母さんに窘められても全く気にする様子のないリアムに苦笑すると、お母さんが指を鳴らした。すると、何もなかった空間にクローゼットが現れた。


「顔合わせの時に着るお洋服を選びましょう。」


 満面の笑みで私に迫ってくるお母さん。圧がすごいよ。こそっと逃げようとするリアムの肩をがっしり掴むと、あくまで笑顔で言った。


「リアムちゃん、あなたもよ。さぁ!始めましょうか。」


 嬉しそうなお母さんに、私たちは何も言えなかった。あぁ、死んだな。これ。



 王都に到着した時。私たちは疲れ果てていた。道中、かわりばんこに着せ替え人形にされてたから、身も心もくたくただった。


「まぁ!もう着いてしまったの?早いわね。」


 まだ弄り足りないのか、残念そうなお母さん。私は綺麗に編み込まれた髪を触りながら馬車を降りた。


「えふぃ~!」


 呼ばれて振り返ると、満面の笑みのお父さんが走り寄ってくるのが見えて、反射的によける。私を抱きしめようとしていた手がすかっと空振りして、涙目のお父さん。


「ヴィル、久しぶりね。」

「ノーラ!」


 一瞬で立ち直ってお母さんに抱きつくお父さん。なんだかんだで仲いいよね。夫婦仲がいいのはいいことです。


「来て。昨日、屋敷の改装が終わったんだ!」


 ひょいっと私を抱きあげてご機嫌のお父さんに連れてこられたのは、領地ほどではないけれどなかなかに立派なお屋敷だった。我が家、どれだけお金持ちなの?


「エフィとリアムの部屋もあるからね!」


 案内されたのは立派な部屋。中に入ると、そこはなんとも乙女チックな空間だった。パステルカラーが基調のふりふりの部屋。ベッドの周辺には巨大なぬいぐるみが大量に置いてあった。


「かわいいでしょ!」


 自信満々なお父さん。確かにかわいいけど、ちょっと恥ずかしい。


「う、うん。」


 まぁ、お父さんが満足なら私はいいや。そう思って黙っていると、


「まあまあ、ヴィル!すごいわ、このお部屋!流石私の夫ね。」


 まさかのお母さんべた褒め。そっか。お母さん、こういうの大好きだもんね。


「でしょ!ノーラの部屋はこっちなんだけど。」


 とお母さんと向こうに行ってしまった。


「すごいな。このぬいぐるみ。ぼふぼふだぞ。」


 ぬいぐるみにダイブして足をバタバタさせるリアム。


「ほんとだ。」


 めっちゃ手触りいい。ぬいぐるみの首についてるの、真珠かな?さすがに本物じゃないだろうけど。


「きゃあ!えふぃちゃんとリアムちゃんがぬいぐるみと遊んでいるわ!」

「本当だ!あのくまさんの首飾りは本物なんだよ!流石エフィ。お目が高いね。」


 本物でした。ていうかお父さん、くまさんって。かわいいかよ。


「そうだ!王都にはいろんなお菓子があるんだよ!買ってきたから、一緒に食べるかい?」

「「うん!」」


 王都は流行の最先端だから、きっとおいしいものがいっぱいあるんだろう。楽しみだな。テラスに着くと、真っ白なバラのアーチをくぐる。その先には、夢のような光景が広がっていた。繊細な意匠のテーブルの上には、ガラス細工のような美しいお菓子。ふんわりと香る紅茶のにおい。


「エフィニア!このドーナツ、薄ピンクだ!金のきらきらものってるぞ!」

「ほんとだ!綺麗だねぇ。」


 その後、テーブルの上に大好物のチーズスフレを発見してから、私のテンションは上がりっぱなしだった。


「たくさん食べてね。」

「やった~。」


 その日は、顔合わせのことなどすっかり忘れて、王都を満喫した私だった。王都、最高!



「おはよう、お母さん。」

「おはよう。」


 今日は王太子さんと顔合わせの日。とうとう恐れていた日が来てしまった。


「エフィ。いいかい。絶対に隙を見せたらだめだよ。一万歩譲って会話するのは許すけど、万が一体を触られでもしたらぶっ飛ばしていいから、風魔法で。僕が許す。」

「ヴィルの言うことは無視していいわよ。存分に楽しんでらっしゃい。」

「え?うちでやるんじゃないの?」

「男性側が場所を用意するのが決まりなの。今回は王宮よ。」


 王宮?王宮ってあの?王様が住んでる?


「大変だな。」

「あら、リアムちゃんも一緒に行くのよ。あなたも蕾の儀に出席するんだもの。」

「え゛?」


 顔から一瞬で余裕が消え去るリアム。


「私は遠慮して」

「私たちは運命共同体だよね。」


 抜け駆けは許さないよ。と目線で圧力をかけると、仕方なさそうに了承してくれた。


「さぁ!お着がえしましょうか!」


 お母さんの楽しそうな声が、屋敷に響いた。


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