第35話 ゲーム

 就寝前。

 ベッドに座りながら、ふと考える。

 香ってお嬢様っぽいけど、何か家普通だよな………。

 専属メイドさんがいるくらいなのに、あんな普通の家に住んでるのって意外だな。

 そういえば土曜日なのに親御さんが家にいなかったし。休日も働いてるのかな。

 だとしたら香って、両親とあんまり関わったことないんじゃ………?

 ………そんなの人それぞれか。他人の家の私がとやかく言うことじゃない。


 ピコン!


「ん?誰………?」

 グループRAINにメッセージが一件。

「清水か」

 ───明日はどうする?

「……明日…。そういえば考えるって言って全然考えてなかったな………ん?」

 ───みなさん、お暇でしたら私の家に来ませんか?

 このメッセージは……香だ。

 ───実は、お父様から試作中のゲームが届いたんです。明日はそれで遊びませんか?

 試作中のゲーム?香のお父さんってゲーム会社の社長さんなのかな?

『私は別に良いけどみんなは?』

 ───おっけー!

 ───どっちでもいい。

 ───それじゃあ、決まりですね!何時に来ますか?

 ───午後2時。遅刻厳禁。

 栄夢が食い気味に返信してきた。

 ───午後2時ですね!わかりました!みんなもそれで良いですか?

『わかった』

 ───おっけー!

『じゃあ、おやすみ』

 ───おやすみなさい!

 ───おやすみ!

 ───(´ω`)zzZ

 ………ゲームか……楽しみだ………!

 何を隠そう。私はゲームが大好きなのだ。

 中学校の頃、遊び相手がいなかった私にとって唯一の楽しみと言えばゲームくらいだった。

 中学校生活で、友達と遊ぶ時間を全てゲームなどの娯楽に費やしたのだ。好きになるのは必然的だろう。

 ……試作中のゲームとは………何だろうか。未発表のゲームとか!?

 だとしたら贅沢すぎる!!

 私は止まない興奮を抑えながら、ベッドに横になった。

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