第13話 叫び
「ぶはぁー………!!」
私は家に帰るなり、自分の部屋に駆け込んでベッドにダイブした。
顔も体も、全部をベッドに沈み込ませる。
………何故なんだ。なぜ私の周りにはまともな奴がいないんだ……!?
しかも、そいつら以外に話せる人がいないって………!!詰みじゃん!!
どうした。私の想い描いた青春の一ページじゃないぞ、これ?
クラスの席も変態達は私の前、右斜め、右隣って………私何かした?前世に海賊でもしてたの?
「んがぁっ!」
私は顔を上げて、右手で枕を顔の下へ。
左手と右手で枕をガッチリホールド。
大きく息を吸って、体を反らす。
私はそのまま勢いよく枕に顔を突っ込んで、
「◯□☆※&&※#¶▲▼▲☆◎☆◎▲☆&★♯§#▲※&◆♯□♯〒▲&□♯☆♯□&〒▲&◆◯□◯ーーーーっっ!?(※訳 何で私にだけヤバイ奴が集まるんだふざけんなおかしいだろしかも結果ぼっちじゃんかぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーっっ!?)」
叫んだ。
「はぁ……はぁ………はぁ……!!」
………少しはスッキリしたかな?
「最低だな………私…」
自分の思い通りに行かないからって人のせいにして。情けない。
……いや、でも特異な人達が私の周りに多すぎるのもちょっとおかしくないか…?
もう、3人でっせ?
しかも、3人ともそれぞれの自宅で私への謎のカミングアウト。
こうなると、誰か手を加えてるのでは?と思うのもおかしくないだろう。
神か!?神よ、お前か!?だとしたら間違ってるからな!!巡り合わせるべき人は私じゃない!!
…ちょっと整理しよっかな。何でこうなったのか。
まず、最初は香だった。入学式でぶつかって、私のにおいが気に入ったらしく、私になついてきてくれた。
そこから私が、色んな生徒が注目するなかで香の脇を嗅ぐという謎のイベントが発生。
ここからの事はこれがキーポイントとなってくる。
まず、この騒動を見た栄夢が私が脇を嗅いだのではなく舐めたと誤解。それを清水へ伝えた。
そこから清水は私を同じフェチを持つ者と勘違いして清水宅で例のイベント。私は頬を舐められた。それが昨日。
そして今日、栄夢の暴走を目の当たりにする。
変態が私の周りに増えた理由、私のターニングポイントって……
やっぱり私の脇嗅ぎイベント!
………何で脇嗅ぐことになったんだっけ。
確か私が無駄に香をからかって、そこから火がついた香の挑発に乗っかって………!
一瞬我に戻ったのに、何か嗅がないわけにはいかない状況になってて。
………つまりは、全て私が決めたこと。
あれ?もしかして、こうなってるのって私のせい?
香はともかく、あの私の変態行為が磁石のように二人の変態を引き付けたの?
「私が変態を呼びだしたみたいなもんじゃない、これ?」
あはは………まじか。私だったのか、原因は。
………考えてもみる。
あの時、少しでも違う選択をしていれば……?
周りの雰囲気に流されてなければ?
私は皆から避けられることも、二人の変態に目をつけられることもなかった。
………私、変われてないな……
高校では自分を変えて青春するって決めたのに……!!
こうなったらもう腹を括るしかない。
私はあることを決意して部屋を出た。
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