神よ!お前は間違っている!

第1話 それは運命の出会い?

 今日は入学初日。

 ゾロゾロと新入生が校門へ歩いていく。

 私もその中の一人だ。

「………遂に始まるんだ…私の青春がっ……」

 ……誰かが私の肩にぶつかった。

 まぁ、誰がぶつかったかはわかった。私の目の前で漫画みたいなコミカルな転びかたをした女子がいるからだ。

 ここは手を差しのべるのが普通であろう。

「……あの、大丈夫ですか?」

 私が手を差し伸べると、途端にその女子はガバッと起き上がる。

 あまりにも突然だったので思わず私もビクッとしてしまった。

「………あぁ……!!」

 そのまま立ち上がったその女子はなぜか目を輝かせて私を見ている。

 どういうことだろうか。世知辛い世の中で手を差し伸べた私に感動しているのか?

「え、と………?」

 困惑した私を見て彼女はハッとしてスカートをパッパッとほろう。

「ご、ごめんなさい!」

 そう言って、さっさと行ってしまった。

「………え?」

 あまりにも事態が早く進みすぎて、私も脳みそが追い付かない。

 と彼女の転んだ場所にあるものを見つける。

 それはピンクの布の可愛らしいハンカチだった。小さいリボンがついていてとても女の子らしい。

「………百井香。漢字違うけど私の名字と読み方一緒だ」

 ハンカチの裏に黒いネームペンで書かれていた。マメな子だ。

 とりあえず名前が分かったし後で渡すことにしよう。

 私はハンカチをポケットにしまい、教室へ向かった。

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