第32話 補習のために
いつもの学校。
今日の補習を終え、夏希達のもとへ。
「やぁ、コウくん」
入るとそれに気づく夏希。
隣には、ノートにペンを走らせる海雪が。
「なにやってんの?」
「ゆきちゃんに勉強を教えてあげてるんだ」
見れば、ノートには問題集の答えが書き連ねてある。
そういえば海雪も補習の対象だったな。
「ほらほらコウくんにも勉強を教えてあげよう」
「夏希って頭が良いのか?」
「失礼な。こう見えても学年一位だぞ」
マジか。初めて知った。
「そうだったのか……」
「コウくんも勉強した方がいいんじゃないのかい? 明日、テストなんだろう?」
「あー……じゃ俺も勉強するか」
椅子に座り黙々と勉強。
これが噂に聴く勉強会というやつだろうか。
「コウくんはなんの科目が苦手なんだい?」
「いや俺は別にそこまで」
「え、ないの?」
「授業を聞いていないだけでガッツリ頭が悪いわけではないからな」
「ふーん」
中学とかむしろ上位にいた方だ。
「海雪は? なにが苦手なの?」
「ゆきちゃんは全教科だよ」
全部って。
「教えれば覚えてくれるから、多分大丈夫」
「体育はバッチリですよ」
「威張ることじゃないと思う」
体育だけバッチリってのもすごいな。
「今更だけど二人とも身体能力高いけどなんかしてるの?」
不意に二人に尋ねると、顔を見合わせる二人。
「別に何も……」
「やってないです」
「やってなくてあれなのか……」
謎が深まった……。
夢だと思うしかない……。
そのあとも黙々と勉強を続けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます