第23話 おうちへ
学校をでて帰宅中。
三人とも歩きで、途中まで通学路は同じだ。
「よかったな。ある程度解決して」
「そう……だね」
こころなしか元気がない夏希。
「大丈夫か? なんか、フラフラしてるぞ」
足元もおぼつかない様子。
「だい……じょ……」
夏希が急に、倒れた。
「お、おい? 夏希?」
倒れた夏希に声をかけるも、返答はない。
「海雪! 夏希、どうしたんだ!?」
「…………はぁ、だから言いましたのに」
ため息をつく海雪。
なんでそんな態度でいられるんだと怒りそうになる。
しかし次の瞬間。
「コウ……くん」
夏希が起き上がり、俺の方へ寄ってくる。
「大丈夫か夏希!? って、うわっ」
そのまま寄って、抱きついてきた。
いきなりで驚き、しりもちをつく。
なぜかそのまま、猫みたいに顔をすりすりしてくる。
「コウくん……コウくん……」
「な、夏希? ほんとに大丈夫か? 海雪、どうなってんだこれ」
「説明したいのですが、一旦家へ向かいましょう。このままでは面倒なので」
海雪が夏季をおんぶする。
あまんじて受ける夏希。
……なんか、いつもと違うような。
「てか家って……」
「もちろん、私たちの家ですが?」
当然のように言われた。
*
「でっか……」
「なにをしているのですか。早く入ってください」
海雪のあとについて行く。
二階建ての洋風な家。
よく見る一軒家より二、三倍は横に大きい。
そしてこの家がもう一つ建てれそうなほどの広さがある庭。
大きな木製の扉を開ける海雪。
「おかえりぃぃぃぃぃ!!!」
開けると同時に、なにかが飛び出してきた。
「ただいま帰りました。とーさま」
「遅かったじゃな……夏希ぃぃぃ! ぐったりしてる! またか!」
一人でころころと表情を変える男性。
金髪でツーブロック。
魅力を感じる
黒いスーツがありえないほど似合う。
ダンディーな人だなぁ。
そんな事を思いながら傍観していると、その男性と目が合う。
「キミは、だれだい?」
「え、桜木光基……です」
テンションの上下がすごい人だな。
勢いに押され自己紹介してしまうぐらい。
あっけに取られていると。
「コウキ……サクラギ……あぁ! キミがコウくんとやらか! さ、入って入って!」
その男性はぱっと笑い、家へ入るよううながしてくる。え、なんで名前知ってんの。
「あの……」
「どうしたんだい?」
「名前とか……」
名前をどこで知ったのか聞こうとする。
しかし勘違いされた。
「おっと、すまない。自己紹介を忘れていたね」
違うて。
「名は西村レオ、夏希の……パパです!」
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