第16話 恋心とは

私兄様のことが好きだから、協力はしたいと思っているんですよ?

ですが、恋心が関わっているとなると、吐いてしまいそうです。

しかも自分の兄様が狙われているんですよ!

何とかしないといけません!

やはり母様と兄様を遠ざけるくらいしか……私に出来ることは思いつかないです。

父様に相談するのもアリだけど、ぶっちゃけ頼りにはならなさそうですしねえ。


よし!

私に出来ることは兄様と母様を遠ざけること、決まりました。

根本的解決には至りませんが、兄様を傷つけない一番の方法でしょう。

あともう一つ、兄様がおっしゃっていた傍にいて欲しいという願い……

私、兄様の妹としてちゃんと傍にいますからね?


それにしても恋心とは厄介ですねー。

はっ!

兄様にはお慕いしている方がいるのでしょうか?


「ヴィア、おはよう」


「おはようございます、にいさま。にいさまにはすきなかたがいますか?」


「……唐突だね。ヴィアのことは好きだよ」


わぁーい、うれしってそうじゃない!


「れんあいたいしょうとしてのといういみです」


「恋愛対象……いないよ」


キッパリと断言する兄様。

そうなんですかー。

もうこれ以上聞いてくるなオーラを出しているのでこの話題はやめです。

兄様は女性が苦手なのでしょうか?

それとも、恋愛が嫌いなのでしょうか?

うーん……

どちらにしても、兄様は恋してないということで、よし!

独り占め出来ます!


「急にこんなこと聞いてきてどうしたの?」


「きいてみただけです。にいさまのこともっとしりたいから」


情報を集めることは重要ですからね!



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