第11話 私は眠いのです

ヴィア4歳になりました。

ただ今、兄様の膝の上に乗っけてもらっています。


「ヴィア、母様に会いたい?」


唐突に兄様から聞かれる。


「かあさまあ?」


丁度眠い時間だったので、ウトウトしていました。眠いです……


「ごめんね、眠い時に」


「いえ、だいじょうぶです。ねむいだけで、ふわああ」


あっ、欠伸でちゃいました。

眠いせいです。

小さい頃はすぐ眠くなりますよね。


「そう?」


頭を撫でてくれます。

気持ちいい。余計ウトウトしてきました。


「それよりもさっきのはなしおねがいします」


「母様は、病気で動けないんだ。会いに行ってみない?」


動けない?

なんの病気なんだろう。


「でも、今日はやめとこうか」


優しい声で兄様が言う。

きっと私を気遣っての言葉でしょう。

確かめるように聞きます。


「なぜですか?」


「ヴィア、眠いんでしょ」


そうですけど……

私の母様かあ。

どんな人なんでしょう。


私はそのまま兄様の膝の上で寝ていきました。

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