第9話 私の父様
それから父様は毎日来るようになりました。
夜にですけど。
兄様も乳母も寝静まった頃にだから、2人っきりです。
父様が不器用な人だって分かってから、そんなに怖くなくなりました。
そう言えば、兄様は領主としては尊敬しているけれど、父親としては認めてないみたいです。
博愛主義に見えるのですけど、父様に対しては違うみたいですね。
「……」
無言で撫でられる。
ほわわんとした雰囲気になります。
喋らなくても、居心地は悪くない……です。
「とう、さま」
「ちゃんといえるんだな」
前はとうしゃまと言っていましたからね。
撫でられるの、案外悪くなかったので、そのお礼です。
「はい、いえましゅ。にいさま、とうさま」
「にいさまも言えるんだな……」
あれ、ちょっと兄様に嫉妬してる?
可愛いところもあるんですね!
私、ファザコンになってしまったみたいです。
兄様には負けますけどね!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます