第6話 私の誕生日

私は褒められると成長するのです!

兄様に褒められたことで、もっと頑張ろうと思うようになりました。

実際兄様や乳母が目を見張るほどに成長したと思います。


そうして今日、1歳の誕生日。

なんでしょう……

この重くるしい雰囲気は。

父様はいないし、母様もいないし……

目の前には料理人が腕を振るったであろう誕生日ケーキ。

とても美味しそう。ジュルリ。

私にはまだ食べれないけど。


「メアリ、父様は?」


いつも柔和な兄様が厳しい口調で問います。


「領主様は、体調が優れないから……と部屋においでです」


きっと嘘ですね。

あれです。よくある、今日体調悪いから俺欠席するわーとかいって、外では遊びまくってるやつに似ています。

それから今更だけど、乳母の名前メアリっていうんですね。メアリにはお世話になっているから、いつかお返ししようと。


兄様はとても怒っているようですが、私は構わないのです。

だって、私のことを一方的に嫌っている人でしょう。人に聞く限りは。

それが真実とは必ずしもいえませんが、私の所へ顔すら見せないことを鑑みると、そうだとしか考えれませんね。

私は、兄様とメアリが祝ってくれるだけで充分なのです。


結局、その日は兄様とメアリだけで私の誕生日を祝ってくれました。

わぁーい!嬉しいです。

兄様とメアリは浮かない表情でしたけどね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る