ノミノクソ
地球人
第1話
7校目の不合格。
俺は目の前のスマホから目を離せずにいた。
嘘だろう?タチの悪いドッキリであってくれよ。
何が残念ながらだよ。
残念ながら不合格です
という文章をうらめしく見つめる。
くそっくそっくそっ
大学受験なんかクソだ。
2月から開始した私立大学受験。俺はまだ一校も使っていない。そんな3月1日。
4日後には後期試験があるが、これが最後の試験だ。今まで受けた試験の結果は出そろってしまった。
ちくしょう、ふざけんな。
まじふざけんな。
夜父と母に伝えなければならない事を思うと、喉がきゅっとしまり、息苦しい。
もう嫌だ。そう思うがやるしかない。俺には今勉強するしか選択肢はない。
そう、勉強する事で存在を許される、、、それが受験生なのだ。
あと4日で受かるのか、、、?
これまで全部落ちてるのに、、、?もし受からなかったら!!
親やクラスメートからの視線を想像し、息が詰まる。
机に向かい、参考書を始めるが、字を追っても頭に入らなくなっていた。軽くパニックだ。
それでも必死に文を追い、頭に詰め込んだ。
ぞっとするほど時間が経つのが早かった。
飯は喉を通らず、夜は嫌な考えが頭にべったりと張り付き、眠れなかった。
孤独な夜との戦いっていうとかっこいいかな。とかわけがわからない事を考え出して現実逃避する。
あぁ来てしまった。
人生分け目の大決戦。
行きたくねえ。死ぬほど受けたくねえ。いや、死なないけど。童貞のまま死ねるかっ!!馬鹿な事を考え出す脳みそ。
頭の中で人生かつてないくらいの一人ごとパレード。
いくっきゃねえ!
どっかのマンガで読んだようなセリフを頭の中で叫び、試験会場へ入る。
自分の番号の席は座り、鉛筆と消しゴム、シャープペンシルを用意する。
試験管が始まりのゴングを鳴らしす。
もらったぁぁ、一限の英語が終わった俺は心の中でガッツポーズをする。
正直これは自信ある。
、、、が二時限めの国語。
もうね、日本語ですかって問いたくなったね。これはね、何を言ってたんだろうね。
三限目の選択科目はまあまあの手応えだが、俺がわかったってことはみんな分かったんだろう。
さようなら俺のキャンパスライフ。
はじめまして。クソ浪人。
解放感よりも虚無。
もっとこう、、、終わったー!!!ってなるかと思ったが、終わったとき俺は至って冷静だった。
ノミノクソ 地球人 @murabito-D
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます