感想文100本ノック34.呪われた龍にくちづけを 第一幕 ~特別手当の内容がこんなコトなんて聞いてません!~/綾束 乙

呪われた龍にくちづけを 第一幕 ~特別手当の内容がこんなコトなんて聞いてません!~(完結・25万字)

綾束 乙

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884543861

中辛


あらすじ

蟲を召喚して常人にはなしえないことをなす術を使う『蟲招術』。蟲家は、『蟲招術』の宮廷術師を輩出している名家中の名家である。

17才の明珠は、蟲家に使えるべく向かう途中に賊と出くわし、ご神木のある裏口から塀を飛び越えた。そして、木の下にいた青年に助けられる。

蟲家の離れで11歳の少年について働く恋愛小説。


感想

「もう一人の弟!」 明殊は、離れの主 英翔(11)に対し、そのような発言をしている。本当は明殊は、蟲家当主が実の父であるからである。蟲家の離れに住んでいるわけであるし、当然蟲家の人間……。と思われていた英翔であるが、後々読み進めていくとなるほどと驚かされる。

主人公の出生、能力。傍にいるキャラクターたちもまたどんどんと秘密が明かされていく。初めは、姉弟のように微笑ましくみていた関係がストーリーが進むにつれ、今までの見方が全く変わってしまうほどである。

明珠という快活で、お母さんのような女性が、周りの男衆に翻弄されている様はみていてドキリとさせられる。

文章についても、難しすぎる表現も、おかしな表現もなく、引っかかることなく読むことが出来た。すんなりと世界観に入っていくことが出来るのは小説としてありがたい。

そして、何より梅酢の大根漬けや、エビの天ぷらなど聞くとちょっとお腹がすくメニューが出てくる点も読んでいて楽しかった。

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