感想文100本ノック33.寸止め知らずの路上面談/真花
寸止め知らずの路上面談(連載中・4万3千字)
真花
https://kakuyomu.jp/works/1177354054893710927
あらすじ
「精神科医が面談をします。どんな内容でもO Kです」
真夏の日曜日に上野公園に置かれた椅子と机。
精神科になって10年の僕は、辛抱ならなくなっていた。どんな時でも、患者の話を真摯に受け止め、返しをしなければいけないこと。
ある、欲望に支配されていた。……それは。ツッコミたい! という事だった。
「ただし、通常の医療と異なり、どんどんツッコミながらの話をします。無料です」
ノンストップツッコミ、路上面談コメディ。
感想
「美味しそうだから口に入れてみるけど、十人居たら九人が吐き出して残りの一人が動かされる」を目指しているという真花先生。
この、プロローグを読んだ瞬間。私のした行動が即作者プロフィールを見たことである。
一体どんなことを考えて生きている人がこんな物語を思いつくのか。つかみはバッチリである。どんな物語かがしっかり分かるうえ、ギャグマンガでもなければこんなフリから始まる物語は見たことがない。真花先生は、ギャグ漫画を小説という形で行おうとしているのか。
”面談”という題材は、コメディ小説において非常に有効だと思う。
とにかく会話で進んでいくからである。そして、面談ということは、相手はとてもまじめに相談するということである。一体どんな展開になるというのか。プロローグを読んだだけで、ドキドキワクワクさせられる。
目次に注目。 話タイトルには、それぞれの相談者の名前が載せられている。一人目 樋口葉一、芥川龍次郎……。さらっと目を通しただけでは「ん?」とひっかかる程度であろう。ただ、内容を読むとさらっと流されている。
私が教養に深くないだけで関係があるんだろうか!? ん?
淡々と頭のおかしいことを大真面目に相談してくる相談者。それに小気味よくツッコんでいく精神科医。明かされるテーマ。そして作者のどや顔が見えてきそうな「ツッコミ数発表」
これはいい。ツボにはまる。1話1話自体は短く完結したオムニバス形式になっているということもあり、プロローグさえ読んでしまえばあとは前後のつながりを気にすることなく読める。
文句なしに面白かった。リビングで読んでいるため、声を出さずにふふっと笑うのを何度こらえたことだろうか。
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