感想文100本ノック32.私をみて/比恋乃

タイトル 私をみて(完結・6800字)

作者 比恋乃

https://kakuyomu.jp/works/1177354054894707028

あらすじ

私は、ヒトではない。先祖は蛇交じりであったがこの町に嫁いできた。ヒトの真似事をする存在。グリーンの鱗、くすんだ黄色の瞳、小さな鋭い歯という特徴は普通の人間が見ることは出来ない。その差は、体毛の有無、そして冬は行動できない事位だ。

私ミョルニルサは、同じく蛇交じりであった姉の結婚相手、義兄と暮らしている。そう、姉が死んだ後も―――。私と、義兄のせつないラブストーリー。


感想

切ない。これを果たしてラブスト―リーと呼んでいいのだろうか。私と、義兄は運命の相手同士ではない。それでも、ずっと一緒にいられればいいのにと願ってしまう。

激しく感情が動く物語では決してない。ただ、じわじわじわじわと溶けていくように、私と義兄。相互の視点から物語が展開していくことで、はっとさせられるのである。

「きみの事を見ることが出来たらいいのに」 私を姉を通して描いた義兄の気持ちはそういうものだったらいいと思う。

ちょっぴり切なくなる。是非、読んで欲しい一作であった。

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