感想文100本ノック20.『スクールカースト』/韡乖 嘉数增
タイトル スクールカースト(完結済・8千字)
作者 韡乖 嘉数增
URL https://kakuyomu.jp/works/1177354054894249469
韡乖 嘉数增先生は、文芸部所属の中学一年生。アマチュア小説家先生です。いじめをテーマにした作品です。
あらすじ
「岡島市立萬(よろず)小学校」の四年三組に転入した仁井田孝明(にいだこうめい)は、過去15回も転校を繰り返している。セレナ交響楽団というオーケストラのコンサートマスターをやっている父の仕事の都合である。転校して半年、何事もなく平和だった。しかし、10月の社会科見学で親友の鶴畑くんが牧場の牛の肥溜めに落ちてからかわれた。そのからかった相手を咎めたことにより、クラスでの立場がだんだんと悪くなっていってしまう。2年にわたる闘いが始まった。
感想
小学4年生が主人公というのは20歳超えるとなかなか書けなくなってくるものである。小学生だった時の記憶が新しい韡乖 嘉数增先生だからこそ書ける作品といえよう。
友達を守ったことにより始まったいじめなのに、まさか序盤で友達も敵サイドについてしまうとは驚きだった。いじめに正義も友情も何もないのか。
私は、小学生の時、中1の時。いじめられている子を見かけたら積極的に助けて回る立場だった。とはいえ対立するわけではなく、そっとその子の傍にいて普通に仲良くするだけであるが。
私の名をかたり、机に落書きすることでいじめられている子に対して私もいじめているようにみせようとしていた子もいたが(中1の時)傍で笑っていたら自然と誰もいじめなくなっていった。
女の子同士のいじめであったし、たまたま運がよかったのかもしれない。
でも、自分もいじめられるかもしれないからといって自分の子供に対して「いじめられている子を見なかった振りをしなさい」なんていう親にはなりたくない。
困ったら、記録にまとめてその記録を基に判断してくれる大人を見つける事。韡乖 嘉数增が示した方法が、フィクションなのか、ノンフィクションなのかはわからないがとてもいい方法だと思う。
一年半のいじめを経験したという点もさぞつらかったことだろう。その悔しさをばねに小説にすることにより昇華させることができたならいいのであるが。
小5で構想を練り、2年かけて書いたという今作。初めての小説というが起承転結がきちんとあり、読みやすかった。素晴らしい才能だと思う。是非、今後も執筆活動に勤しみ、大作をつくっていってほしい。
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