感想文100本ノック12.『天空都市・秘密のアウトランダー』/相内充希
タイトル 天空都市・秘密のアウトランダー(連載中・9万3千文字)
作者 相内充希
https://kakuyomu.jp/works/1177354054887358180#work-information
ジャンル 異世界ファンタジー
評価 甘口
前情報
今回は、1章18話までの感想文とさせていただきます。
「甘口」をご希望の相内充希先生。ご要望にお応えして、付き合いたてほやほやのカップルの如く、メロメロ熱々な感想文を書かせていただきます。とにかく褒めちぎります。
相内充希先生は、読書する際には、音や映像が浮かび味わう様に読むそうです。本は、脳内劇場内に差し込むフィルムなんですね。ロマンチックです。いつか脳内劇場を共有することが出来るようになる技術革命が起きたら、お隣に座って味わいたいものです。
アウトランダーと、聞くと三菱自動車のミドルサイズSUV アウトランダーPHEVを想起しますが、決してアウトランダーPHEVが天空都市で無双する話とかではないだろうなーと思います。アウトランダーには、「外来者」「異国人」といった意味合いがあるようですね。天空都市にて主人公がどのような活躍をするのか、読む前から楽しみです。
あらすじ
主人公 恵里萌香(えり もえか)愛称「エリカ」は、2年前に卒業した母校都立瀬川高校を訪れていた。同校は、創立7年の国際色豊かな学校である。演劇部のOGとして、年3回のうちの1回、5月の新入生の為のミニ公演の観にきていた。
現部長 宮本ヘレンは、2つ下でエリカに対して並々ならぬ愛情を感じている。
ヘレンは、昨日、二十歳になったエリカのの誕生日を祝い、そして言う。
「エリカ先輩、今、悲しい恋とかしてます?」
先祖に占い師を血を引く彼女は時折、不思議なことを言い当てるのである。そして、エリカは、失恋したことをヘレンに打ち明けるのであった。
その帰り道、車を運転中、突然飛び出してきた黒いものと衝突したエリカは、赤井軽自動車ごと忽然と失踪する。
そして「エリカ」は、一条絵梨香(イチジョー・エリカ)としての自分が19年間存在していた別世界エムーア国にて目をさましたのだった。
魅力・感想
はじめに、目次から拝見させていただく。
まず目につくのは、この小説が、1章の間決まって毎日投稿されているという点だ。
小説投稿する際、無論毎日投稿する方が、ファンの目に留まりやすい。上に、ファンからしてみても毎日新しい話が読めるので嬉しいものだ。しかし、実際テンポよく毎日更新するという事は、大変である。忙しい日もあれば、体調の悪い日だってある。
毎日、欠かさず執筆、投稿されていたのだとすれば、ものすごい継続力である。まとめて書いたものを分割しているのだとしても、それだけの分量書き溜めてから新作小説として立ち上げられる相内充希先生の根気強さには、驚かされる。
2019年の大晦日に1章が終了するというキリの良さもまた、毎日追うファンにとっては新しい気持ちで2章の始まりを迎えられたに違いない。相内充希先生が正月休みを取られている間、ファンの方々は、2章の展開に思いを馳せていたに違いない。
次に、本文の評価に移らせていただく。
ものがたりは緊迫したプロローグから一転、平和な日常生活へと場面転換する。その手法は、小説などによく使われている物語の『見せ場』から始めるといったものである。さすが相内充希先生。この後、どうなってしまうの!? と思わせることにより、ぐっと読者を引き寄せる工夫がされている。
映像がありありと目に浮かぶ丁寧な描写。美しい日本語の羅列に魅了されるプロローグ。
一転、現代では、JKとの熱い百合展開というほのぼのした日常が繰り広げられている。普段はクールビューティーにも関わらず、自分にだけワンコのような彼女(付き合っているとは言っていないが)なんて最高である。
「だから先輩、今日は色気が駄々洩れだったんですね!」
失恋を打ち明けられた時の、ヘレンの返し。最高である。
同性の、慕っている先輩が恋に破れたと聞いたら、通常慰めるか、黙るか。同情するか。のいづれかだと思うのだが、ヘレンは目を見開いてそういったのである。新しい恋に落ちる3秒前ではないか。ここで話が終わっているのも、意図的な判断だろう。リアルタイムで追っかけていたら、その日は眠れなくなるに違いない。ああ、エリカとヘレンは幸せな百合百合ライフを送るんだろうか! と。
萌え萌えの現代からいっぺん、異世界へと話が転換すると、それはそれは丁寧につくりこまれた設定が読者を待ち受けている。童話や演劇の世界のようで。
恵梨香がエリカの世界にあこがれをもっていたのではないかという設定にも惹かれる。もしかすると恵梨香は、入れ替わって日本にいるのではないか……という妄想さえしてしまう。
1章は、エリカがイチジョ―・エリカになる課程までを描いている。つまり、物語の序章だ。ここから、どう、プロローグにつながっていくのか。とても気になるところである。
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