新・登場人物 & ちょっとした日常回2

 今回は登場人物が増えたので、恒例の説明と日常回となります。


 ちょっとした日常回は下の方です。そして若干の先取りネタバレです。



――――――――――――――――――



 ・高橋たかはし 和馬かずま・・・俺のことでこの物語の主人公。現役男子高校生。と、ここまでは毎回一緒。

 奇しくも『万年童貞』で、まだ高校一年生だから焦る必要もないなと油断していると、墓まで童貞を持ち込みそうな勢いである。

 だって、高校生になってから半年間、周りに美女が居る所で働いているのに何も進展しないんだぜ?

 笑っちゃうよね。

 若くして“エンコー”でも考えちゃう男子高校生だ。



 ・西園寺さいおんじ 美咲みさき・・・俺の一つ年上で、うちの高校の生徒会長である。中学2年間生徒会長を務めていて、高校でも同じく2年間やろうという猛者だ。

 『善良生徒を守り、不良生徒は即処す』をモットーに今を生きる華のJKでもある。

 .........“華”なのかね。交際経験豊富だよ。ビッチじゃん。

 ちなみに葵さん並みのおっぱい美女である。



 ・西園寺さいおんじ けん・・・西園寺家の当主。見た目は50代のおじさんで、美咲さんの父親である。

 とっても明るい性格の持ち主だ。



 ・西園寺さいおんじ 陽子ようこ・・・健さんの奥さんで、美咲さんの母親だ。

 老眼の持ち主である。


 

 ・西園寺さいおんじ 達也たつや・・・美咲さんの兄で27歳と10歳差の兄妹らしい。すごい歳の差。

 でもさ、これって10年後にもっかい奥さんとハッスルしたってことでしょ? すげーな。健さんと陽子さん。



 ・西園寺さいおんじ りん・・・達也さんの奥さんで同い年。結婚して以来、西園寺家で皆と一緒に過ごしているらしい。

 めっちゃ美人なんだよなぁ。達也さんいいなぁ。



――――――――――――――――――



 「あ、会長」

 「おはよ、バイト君」

 「おはようございます」


 西園寺家で午前5時から7時までという早朝バイトをしていたバイト野郎こと和馬おれは、キャベツを片手に後から来た会長みさきさんに挨拶をした。


 「お外真っ暗だ。眠いね?」

 「ええ。まぁでも、お陰様で慣れてきましたよ」 


 そう。冬であるこの時期のこの時間帯は外が真っ暗なのだ。でも市場に野菜を持っていくには鮮度が命だから、こんな早朝から活動しないといけない。


 「ふぁ~」

 「はは。バイト君の欠伸あくび顔は馬鹿面だよね」


 「失礼な」

 「ふぁ~。......欠伸がうつったじゃないか」


 「なぜか人が欠伸しているとうつっちゃいますよね?」

 「処していい?」


 こんなことで?


 不可抗力にも程があるだろ。つうか「処す」って、あんたいつの時代の人間だよ。


 「ほら、イチャついてんじゃねーぞ!!」

 「和馬ぁ! 市場にキャベツ持っていくから荷台に積むの手伝え!」


 会長と喋っていたら少し離れた所に居る達也さんと健さんから大声で呼ばれた。


 「イチャついてませんよ! 今行きまーす!」

 「朝からうるさいなぁ」


 俺と会長はトラック付近に居る健さんと達也さん、他にも陽子さんと凛さんが居る4人の所へ向かった。


 「ごめんね? 美咲ちゃんと二人っきりで仕事したかったよね?」

 「いえ。そんなことは決してありませんが―――痛ッ?!」

 「あ、ごめ」


 会長が何故か俺の足を踏んできた。絶対わざとだろ。


 凛さん、コレ、暴力ってイチャつきに入ります?


 「男ってのはどいつもこいつもわかってないねー」

 「女心ってヤツをか?」

 「ぶはははは!! んなもん畑の肥やしだ!!」

 「うっわ。本当に美咲ちゃんの兄なの?」


 朝から皆さん、本当に元気ですね。


 こうして俺はバイト終了時間までキャベツ畑で仕事をして、健さん達也さんと別れてから陽子さんが運転する荷台に乗り、西園寺家に戻ることとなった。


 道中、荷台には俺と会長が二人並んで座っている。


 そんでもって、俺にぴったりと密接している。


 「......良い天気ですね」

 「まだ日が出始めたところだけどね」


 あ、今若干もっとくっついて来た気がする。


 やめてよ。童貞にはこの距離はキツいって。


 「ち、近いですよ」

 「.......ほら。農道はきちんと舗装されてないから揺れて危ないし」

 「掴める所なんてどこでもあるでしょう?」

 「こことか?」

 「ほわッ?!」


 会長がそう言って俺の息子コントロールバーを握ってきた。


 「ど、どこ掴んでるんですか?!」

 「硬くしてよ。こんな軟らかいともしもってときに頼りないじゃないか」

 「いや、勃ったらそれはそれでマズいでしょ!!」


 こ、こら! 擦るな! ニギニギするな!


 「か、会長! いい加減に―――」

 「いいの? この前の、高校にバラまくよ?」

 「なっ?!」


 そうだ。この人には脅しの写真があったんだ。逆らえない。逆らったら俺の赤裸々な写真がぁ......。


 「ふふ。良い顔.......」


 会長が耳元で囁いてきた。


 「が、がいちょ...う....」

 「家に着くまで我慢だ」

 「オッ?! ぬッ!! ハァハァ.......んぐッ?!!」

 「おっ勃てるのは構わないけど、ダすのは駄目ね?」


 今朝も田舎は静かだが、一部うるさい。


 「オッ?! オッ! オッ!!」

 「あ、限界? すっごい脈打ってるけど」


 ........そんな所、きっと俺のとこだけである。

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