とまって

恨んだような目で見つめて、


ひるんでしまった、萎縮してしまった

足まで震えて、地球が回ったように感じた


でもなんでもなかったように

彼は通り過ぎて


私だけが立ち止まっている

 

誰かがまたこちらをじっと見つめて

私だけがいつもみたいに

ちょっと変わった人のようだ


傘を差し出してくれた

あの人の肩の

傘からはみだした分だけ

服の色が濃くなった


すこしだけ深みを増した色が

私の体温もあたたかくした


そのまま世界がとまったみたいだった

とまってほしかった

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