まぼろし
どう考えたって実感はわかなくて、
どうなったっていいと思った
あたたかい春の日で、
どんな気持ちで桜を見たのか思い出せない
私は取り返しのつかないところまで
来てしまったのだと
たしかなことは何もなくて
ただただ私は生きるしかないのだと
まぼろしにしてしまいたい気持ちがどこかにあって
でもそれこそ取り返しがつかないと気づく
おなかのいのちは今も私から
水や栄養や酸素や
そして気力までも吸いとっているのだろうか
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