魔法のろうそくとぐうたらノバ
@mounobitasantara
全編
「魔法のロウソクとぐうたらノバ」
とある遠い北の国のお話です。
農家に生まれ育ったぐうたらなノバという男がいました。
ノバは自分の好きなときにしか働きません。
そんなノバに悩みがありました。
夜も昼も眠れない。
一日中ぼんやり過ごしているだけでした。
久々に仕事をしていると仲間のケントが訪れました。
「ノバは眠れないのかい!?いい話を聞いたよ」
ノバは耳を傾けて帽子をかぶり直しました。
「ここから山を二つ越えた丘に魔女が居る、眠れないんだったらそこへ行くといい。」
「こりゃあいい話を聞いた」
ノバは早速、仕事を早めに切り上げて言われた通りに魔女が住む丘へと行きました。
丘には橙色の屋根の小さな小屋がありました。
ノバは怖がることもなく扉を開けました。
「ウワサを聞いて来た、眠れないんだ、どうにかしてくれ!」
魔女は言いました。
「眠れないのかい?良いものがあるよ!」
「灯りを見てるだけで眠れる魔法のロウソクがあるよ、お代は要らないよ!」
ノバはためらいもせずロウソクを持てるだけ持ち帰りました。
その晩早速ノバはロウソクに火を付け灯りを見てるうちにだんだん眠くなって気づいたら朝になっていました。
「こりゃあすごいな」
それからノバは毎晩ロウソクを使いました。
しばらく経った日の晩のことです。
「貰ってきたロウソクも最後だなぁ。また明日魔女のところにいこう」
そうして最後の一本に火を付け寝ました。
ノバは早速魔女の丘へ行きました。
「ロウソクを持てるだけくれないか?」
魔女は言いました。
「ロウソクかい!?条件を聞いたらやるよイヒヒヒ。」
「分かった。で、条件というのは?」
魔女はいつもと違う表情で
「あたしゃねぇ人間の子供がほしいのさ」
ノバは深く考えました。
「人の子供なんてとても無理だ」
ノバは3日間寝れないのを我慢しました
「ダメだ眠れないなんて我慢できない!」
ノバはこっそりと広場で遊ぶ幼い子供をさらって行きました。
そして丘の魔女のところへ行き幼い子供を差し出しました。
「イヒヒヒ約束通りつれてきたね、この子は私の子になるのさ」
ノバは心臓がドキドキして止まりません。
「約束のロウソクだよ、好きなだけ持っていきな」
震える手でロウソクを持てるだけ持ち帰りました。
もちろんこんなことをしていいわけもなくノバの悪い噂が村中に広まりました。
ノバは袋叩きに会い、ひとりぼっちになりロウソクも使うきにもなりませんでした。
(トントン)
誰かが扉を叩く音がします。
隣街のマール牧師でした。
「丘の魔女の悪い話を聞いてやって来たのです」
「助けてください」
ノバは一部始終を話しました。
「ふむ、ではノバよおまえにいいアドバイスをしてあげよう」
ノバは必死でした。
「一生懸命働きなさい」
ノバは疑問だらけでした。
「丘の魔女はお前さんみたいなぐうたらを好んでいる」
牧師は続けて言いました
「例え丘の魔女を殺そうとしても、意味の無いこと」
「さらって行った子供の分も悔い改めるのです」
そう言うと牧師はノバにお祈りをして帰っていきました
ノバは藁にもすがるおもいで働きました。
朝も昼も・・・
いつしかそれが当たり前のようになり、村中の悪い噂もいい噂になりました
こうしてノバは眠れないという悩みもいつしか消えていて、穏やかな生活に戻りましたとさ。
-おしまいー
魔法のろうそくとぐうたらノバ @mounobitasantara
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