第254話

「さ、食べよ、食べよ!ここの焼き鳥、うまいぜー!」


その夜は焼き鳥と唐揚げと焼おにぎりとチョレギサラダを食べた。


施設の近くに旨い焼き鳥屋があって、そこから調達してきた。


ここの焼おにぎりは、焼き鳥のタレがたっぷり染み込んでいてとにかくうまい。


旭がいたら1ダースくらい、あっという間に食べてしまいそうだ。



「この豚バラ最高ですね!」

「だろ! 俺もそろそろ塩分を気にしなきゃいけないお年頃なんだけどね…。こんなのあったら何本でも食べちゃうよな~!」


石田さんは苦笑いした。


「澄子さん、じーちゃんと約束できたのかな…?」


「どうだろね? 想いが強ければ、出来るんじゃないかな。」


「澄子さん、どんな感じでした?」


「ニコニコしながら君らを見てたよ。俺におじぎもしてくれた。」


「そっかー、見てくれているんですね。じゃ、変な事出来ないな…。」


「何? 変な事したの? ノエルちゃんに?」


石田さんはニヤニヤしながら言った。


「いや、そんなことしてないですよっ! まだ…。」


石田さんは本当かね? と訝しげな目で俺を見ながらビールを飲んだ。


「澄子さん、もうすぐ上に行くんじゃないかな。そんな感じだった。心残りが無くなったからかな。お届け物は無事に届いたようだし。」


「そうなんですね。そういえば、もうすぐ四十九日みたいだしな。」



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