第251話
そして俺は、えびす屋であったおばあさんから聞いた澄子さんの話をじーちゃんに話した。
じーちゃんにはショッキングすぎる内容ではあったが、話しておかなければいけないと思った。
じーちゃんは、澄子さんがあまりに過酷な人生を送った事を知り、衝撃を受けていた。
生涯たった一人愛した女が自分の為に犠牲になり、まさか夫からそんな酷い仕打ちを受けていたなんて知ったら、気絶してもおかしくないよな…。
俺は言うべきでは無かったんじゃないだろうかと、すでに後悔していた。
しかし、じーちゃんは言った。
「乃海、ありがとう。さぞかし言いにくかったろ? でも、全てを聞けて、ワシは本当に良かったと思ってる。多分、澄ちゃんも、ワシに全てを打ち明けたかったはずだ。」
そう言うと、じーちゃんは窓の外をボーっと見た。
俺は、じーちゃんを一人にしてあげようと思った。
ちょっと出かけてくるからと言って、部屋を出た。
ドアを閉めると、じーちゃんの泣いている声が小さく聞こえた。
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