第248話

 じーちゃんの部屋のドアを開けると、じーちゃんは椅子に座って窓の外を見ていた。


窓から見える海はとてもきれいで、オレンジ色の西日が部屋に差し込んでいた。


「じーちゃん、来たよー!」


俺はじーちゃんに声をかけた。


「おー、乃海か! 待ちくたびれたぞ!」


じーちゃんはそういうと、振り返った。


「じーちゃん、今日はお客さんを連れてきたよ。」


そう言って俺はノエルをじーちゃんの前に連れてきた。


じーちゃんは、ノエルを見て固まった。


すごく驚いていた。


しばらく動かなくなって、次第に薄っすら目に涙を浮かべて言った。


「澄ちゃん…?」


じーちゃんには、ノエルが澄子さんに見えたのだった。


「じーちゃん、この人は澄子さんのお孫さんだよ。」


じーちゃんは、ハっと我に返ったようで、涙を拭って笑顔を取り繕った。


「初めまして。水原ノエルです。」


「驚かせてすまないね。そうか、澄ちゃんのお孫さんか…。どうりで似てるはずだ! 若い頃の澄ちゃんが現れたのかと思ったよ。」


じーちゃんは笑顔でノエルに言った。


ノエルもじーちゃんに微笑み返した。


そしてノエルはじーちゃんに自分が告げなくてはいけない事を思い戸惑っていた。

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