第234話


 爆発の衝撃で俺たちは気を失っていた。


意識が戻って目を開けると、校舎の中庭側の壁は吹き飛び、レストランの中もめちゃくちゃになっていた。


もし建物内の席に座っていたら、俺たちは死んでいたかもしれない。


実際中に座っていた人たちは血を流して倒れている。


あの時旭がテラスのこの席がいいと言ってくれて、俺たちは命拾いをしたようだ。


ノエルは息をしていた。


気を失っているだけだった。


よかった。ノエルに何かあったら生きてられない。


「おい!大丈夫か?」


俺はみんなに声をかけた。


「…う…う~ん…。」


みんな気がついた。


たいした怪我も無さそうだったので安心した。


「…なんかすっげーリアルな夢見てた。乃海とノエルと…安藤先生が出てきた…。」


類が寝ぼけた声で言った。


「私も見たよっ!乃海が戦争で死ぬんだよね! ノエルも爆弾が落ちて…吹き飛ばされて…多分死んだよね…。安藤が…!」


旭はそう言いかけて安藤の方を見た。


安藤は頭を抱えて俯いていた。


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