第224話


俺とノエルは同じ夢を見てて、いろんな事が合致してる。


現に二人が暮らしたこの街も実在していた。


ということは、あの夢は前世の記憶で間違いない。


でも、さっきノエルが言ったこの小学校の夢は、俺は見たことが無い。


由紀子の身にだけ起こった何かがあるのか…?


俺と由紀子はずっと一緒にはいれなかったのか…。


あんなに想い合っていたのに別れたのか…?



「五名様ですね。お好きなお席にどうぞ!」


店員が笑顔で言った。


「どこにすっかなぁ~。やっぱ窓際の席かなぁ~。」


類が店内を見回した。


「外のテラス席がいい!」


旭が言った。


「えー、寒いじゃん!紫外線も気になるしぃ~。」


類が反対した。


「いや、絶対テラス席しかありえないっ! あの一番端がいい!」


旭は絶対に譲らなかった。


確かにそこから見える景色は素晴らしかった。


前に何も無いので視界をさえぎる物は無い。


「じゃ、そこにしよう。」


安藤は旭に同意した。


「えー、でも日焼けが気になるぅ~!」


類がぶつぶつ言っていたが、完全にスルーで誰も聞いてはいなかった。


席に着いて、皆は嬉しそうにメニューを見ていたが、ノエルの顔はどんどん青ざめてきて、手が震えていた。俺はその震える手を握り締めた。


「ノエル、大丈夫?」


そう言った時、校舎の裏の方から大きな爆発音がした。


「何だ! さっきの!」


「爆弾みたいな音しなかった?」


他の客も慌てふためいていた。


その直後、レストランのすぐ裏手から閃光が走って、何かが爆発した。


校舎の壁が吹き飛び、ガラスが砕け、俺たちも倒れた。



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