第220話


 一時間半くらい走った後、車は高速道路を降りた。


もうすでにノエルの住んでいる県の隣の県まで来ていた。


安藤のヤロウ、ノエルとこんな遠くまで来て何するつもりだったんだ!


考えるだけでムカついてくる。


「あんた! もしかしてフレンチ食べようと思ってる?」


旭が安藤に聞いた。


「えっ? 何でわかったの?」


安藤はビックリしていた。


「廃校フレンチレストランでしょ? 私も気になってたんだよね。」


旭が今にもヨダレを垂らしそうに言った。


「よく知ってるな! まだあまり知られてないと思ってたのに…。」


安藤は少し悔しそうに言った。


そのレストランは、廃校になった校舎を利用して作られたらしく、家賃などがあまりかからないため、リーズナブルな価格になっているらしい。


そして味は絶品という噂だ。


さすが食い地の張った旭の鼻は、県を飛び越えて利くみたいだ。



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