第219話


「だからなんなの、これ? 今や、シリーズ化されてんじゃん!」


類が呆れて旭に言った。


「…四葉のクローバーって…私が作ったやつがモデルなのかな…?」


ノエルが俺にコッソリ言った。


「あ、ごめん、二人には話してるんだ。気に障った?」


「ううん、全然。むしろ旭ちゃんの素晴らしい物語に登場させてもらって嬉しい!」


「そ…そうなの…?」


「うん。」


ノエルが嬉しそうだから安心したけど、この話って、素晴らしいの…?


トラクターの恋愛物だよ…?



「それ、今即興で君が考えたの?」


安藤が旭に聞いた。


「そだよ。」


旭がキャラメルラテを飲みながら安藤に言った。


「う~ん…なんとも斬新! 続きが気になる!」


安藤は嫌味じゃなく、本心で感心しているようだった。


「この話、小説で書いて欲しい! 読みたい!」


キャラメルラテを飲みながら外を見ていた旭は安藤の方を見た。


「あんたさ、けっこう見る目あるじゃん。人は見かけによらないもんだね。」


旭はそう言うと安藤に向かってケラケラ笑った。


「君に言われたくない。」


安藤はふてくされて言った。


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