第217話 トラクター王国の話 前世の恋よ再び4


 隣国との戦争は泥沼化していた。西の国境付近では血みどろならぬ、オイルみどろの戦いが行われていた。


その戦地の最前線を任せられている第16師団長のいるテントに貴族の男はいた。


「どうです?戦況は?」


男は第16師団長に聞いた。


「苦しい戦いです。敵方は兵力も兵站も我が軍を上回っております。」


師団長は言った。


「では、人員を増強しましょう。私が父に掛け合ってみます。」


「おお!それはありがたい!感謝いたします。」


師団長は貴族の男に深々と頭を下げた。


貴族の男はニヤリと笑った。


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