第205話


「ノエル疲れてない? 電話大丈夫?」


「大丈夫だよ。さっきまで安藤先生が来てて勉強してたから疲れてたけど、今じわっと疲れが飛んできてる。」


「安藤が来てたの…。あのヤロ…。俺がノエルに勉強教えてやりたいよ。って、俺のがノエルより頭悪いけど…。」


「…そんなことないよ。でもさ、乃海君も勉強大変だね。毎日放課後残って自習なんて。」


「ま、類と旭も付き合ってくれてるからけっこう楽しいけどね。あ、あいつらノエルに会いたいって。」


「ほんと? 私も乃海君の話を聞いてて会いたいなって思ってたの!」


「課題とか無かったら今週の土曜にでもそっちに行くんだけどな。土曜の夜じーちゃんのとこに泊まれば日曜もノエルに会えるし!」


「残念だなー。来月はもう課題とか無いんだよね? 来月会えるの楽しみにしてるよ。私がそっちに行ってもいいし。」


「来月かー。俺それまでもつかな…。ノエル、週末は何するの?」


「あー…、土曜は新しい問題集買うからって、安藤先生と一緒に出かけなきゃいけなくなった…。」


「なにー!!! 安藤とデートー???」


電話の向こうで乃海君が逆毛を立てていそうなのを感じ取った。

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